• テキストサイズ

【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第11章 尸魂界潜入編



雛森の斬魄刀は枝が生えるように形を変えた。始解通り、まるで弾ける様に枝から赤い鬼道の塊が吉良に向かい爆発を起こす。
どれだけ仲のいい友人だろうと、同期だろうと、喧嘩すること…意見の食い違う事は必ず有る。だが、こんな事で2人が刃を交えるなんて絶対に間違っているのに。ゆうりはそっと斬魄刀の柄に手を掛けた。

「こんな処で斬魄刀をーー…浅薄!!自分が何をしているか判っているのか!!公私と私事を混同するな!雛森副隊長!!」

吉良の声は雛森には届かず、彼女は再び斬魄刀から赤い光を彼に向けて放った。直撃せず横を通り抜けていっただけだったが、攻撃の手を止めることが無い意志を伝えるのには充分過ぎる。同期ではなく、同じ副隊長の立場として彼女を止めたつもりだったが、それは無駄らしい。

「…そうか。それなら仕方ない…敵として処理する!面を上げろ。"侘助"。」

「!!」

高く飛び上がった吉良が始解すると斬魄刀が鈎状に変形する。雛森と吉良の刀が交じり合う直前、ゆうりは塀の屋根を蹴り彼女らの間に割り込んだ。隣からもう1人、同じ様に2人の間に向かい飛び込んで行く人物が見える。一瞬だけ、目が合った気がした。
軈てガガッ、と金属同士の擦れる耳障りな音が響く。
ゆうりは同時に飛び込んで来た男と背中を合わせゆうりが吉良を、日番谷が雛森の斬魄刀を止めた。

「動くなよどっちも。」

「……ーーーー日番谷く…」

「ゆうり、さん…」

「捕らえろ。2人共だ。」

日番谷の一言で呆気にとられていた副隊長達は檜佐木が吉良の首根っこを掴み、松本が雛森を後ろから抱き込む様にして捕らえる。ゆうりと日番谷は斬魄刀を鞘に収め息を吐いた。市丸は瞳を細め薄く開いた瞼から覗く青い瞳でジッとゆうりを見詰める。
藍染隊長が死んでいる事に動揺の色は無い。という事はこれが鏡花水月による錯覚いうことはバレとるな。……となれば遅かれ早かれ何処に潜伏してるか気づくやろなぁ。瀞霊廷で隠れられる場所言うたら彼処しかあらへんし。これ以上好きに動かれると、厄介やわ。

「総隊長への報告は俺がする!そいつらは拘置だ!連れて行け!」

「すんませんな、十番隊長さん。ウチのまで手間かけさしてもうて…」

「…市丸。てめぇ今…雛森を殺そうとしたな?」
/ 648ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp