第11章 尸魂界潜入編
「ゆうりさんは本当に凄い人なんですよ!!死んでしまったと聞いた時は皆すごく落ち込んで……落ち込ん………。生きてたんですか!?」
「ふふ、今更?この通り今はピンピンしてるよ。花太郎くんは何で岩鷲くん達と行動してるの?」
「実は…」
お互い回道や、山田は背中に所持していた包帯等も使って治療を進めながらも会話を続けた。
どうやら彼は偶然一護たちと出会い最初は人質にされたものの対峙していた相手が十一番隊故に全く効果はなく、牢で親しくなったルキアから一護の話を聞いていた事もあり成り行きで助力することを決めたと言う。四番隊は他の隊…特に十一番隊からは余り好かれていない。だから人質として機能しなかったのだろう。
「それにしても…随分手際良くなったね。今は何席?」
「ありがとうございます!今は七席になりました。」
「そうなの!?凄いじゃない!」
「えへへ…。」
照れ臭そうに頭を搔く山田に頬を緩めた。岩鷲の負った傷を全て治し終えたゆうりは小さく欠伸を零す。ここに着いてからというもの、常に霊力を使い身を隠し、走り続けて来た故に疲労が溜まったらしい。
「岩鷲くんはこれで大丈夫かな。…私少し寝るね。明日も有るし。」
「ありがとよ!折角合流出来たんだ、一緒に行くだろ?」
「…うーん、どうしよう。私はもう少し…1人で行動しようかな。」
「な、何でだよ!?目的は朽木ルキアの救出だろ!?一緒に行動した方が安全じゃねぇか!」
「そうなんだけど……私、この処刑がちょっと納得出来ないの。本来双殛を使った処刑なんて、一般の隊士なんかに使われる事は無いわ。絶対に裏で手引きしてる奴が居るから…そいつを探しに、ね。」
「えっ、そ…そうだったんですか…?でも、処刑は中央四十六室の決定ですよね…?」
「本当に四十六室の決定かは怪しいの。…直接、四十六室に乗り込むのが一番早いかな。」
「あそこは禁足区域ですよ!?流石のゆうりさんも、そんなことしてタダでは…!」
「そうよねぇ…。」
でも、行ってみる価値はおおいにある気がする。ゆうりはフードを被ってその場に寝転んだ。今頃己が生存していた事は隊長達だけではなく、副隊長以下にも知れ渡っただろう。…ある意味、一々驚かれる事が少なくなるのは良いかもしれない。そんな事を考えながら、襲い来る睡魔に身を委ねた。