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【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第11章 尸魂界潜入編



ゆうりが急ぎ懺罪宮へ向かう途中、何の前触れも無くそこに一護と岩鷲の霊圧がパッと現れた。余りにも突発的に現れ、困惑した彼女は足を止める。瀞霊廷内に霊圧探査の及ばない場所なんてあったかな…。そんな思いで懺罪宮付近の霊圧を探ると、その場には山田花太郎と…阿散井恋次の霊圧も感じる。阿散井は恐らく、一護を止める為に来た事は分かった。山田が何故彼等の元に居るのかが全く分からない。

「四番隊が掃除してる地下水路…あそこだったら霊圧探査は及ばないかもしれない…でも、何で花太郎くんが一護達に助力しているの…?」

彼にメリットがあるとは正直思えない。寧ろデメリットしか無い筈である。一護達に脅されて…?いや、彼等は多分そういう事はしない。……多分。
立ち尽くして考えている内に一護と阿散井の霊圧がぶつかり合いを始める。しまった、考える暇があったらさっさと行かないと…!そう己に叱咤してゆうりは懺罪宮へ向かう足取りを早めるのだった。
やっとの思いで懺罪宮に到着して、目にした光景に絶句する。対峙する一護と阿散井はどちらも傷だらけで、立っているのが不思議な位だった。普段びっちりと綺麗に束ねられていた赤い髪は、戦いの中で紐が切れたのか降りている。蛇尾丸は砕け、もう根元しか残っていない。一護は頭と肩から血を流してはいるが阿散井程酷くは無かった。斬月も、残っている。
阿散井は砕けた塀に背中を預け、立っているのがやっとだった。足はふらつき、腕は上がらない。彼は一護に敗北したのだ。声を発そうとして逆流して来た血が肺に入り、口角から零れる。

「ぉぉおおおおおぉぉぉおおお!」

「一護!!!おいっ!大丈夫か一護!?返事しろオイッ!!」

「一護…恋次…!!」

2人は揃ってドサリとその場に倒れた。近くで見ていた岩鷲と山田が駆け寄り、遠くから見ていたゆうりも直ぐに彼等へ駆け寄る。
岩鷲は倒れた一護の身体を支え声を掛け、山田は呆気に取られたまま倒れた2人を見つめた。ゆうりは阿散井の側へ立つと外套のフードを下げてからしゃがみ込む。元々鬼道は練り込まず、ただ身にまとっていただけという事もあり岩鷲は彼女の登場に驚きはしなかった。

「おう、おめぇ生きてたのか!!一護が、副隊長とやり合って気ィ失っちまって…」

「あなたはまさか…ゆうりさん!?どうしてここに!?」
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