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【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第10章 尸魂界突入編



「あァ!?……っ、はは!!おまえ、バカ正直なヤツだなぁ!普通、兄貴を殺した女を助ける為に力貸してくれ、なんて言わねぇだろ!」

「だ…だって…何も言わないなんて騙してるみたいで嫌で…それに海燕さんは…友達を見殺しにするなんて最低だ、って言う人でした。血の繋がった空鶴さんなら、同じ考えを持つ人だと思ったんです。」

「へぇ…なるほどな、どうやら正直なだけじゃねぇらしい。」

おれなら断らねえと踏んでここにわざわざ顔出したって事か。随分肝が据わってる女だ。確かに、こりゃ兄貴が気に入るのも分かるぜ全く。
喉を鳴らしひとしきり笑った空鶴は、ゆうりの頭の上に手を乗せ乱暴に撫でた。

「うわわ…!本当、海燕さんそっくり…!」

「良いぜ、どの道今更断る気なんざ無かったしな。だが、許したわけじゃねぇ。兄貴ならこうすると思ったからおれはゆうりらに助力してやってんだ。……特に岩鷲のヤツは兄貴を尊敬していた分、今も根に持ってる。そういう奴も居るってこと、忘れんなよ。」

「…はい、勿論です。ありがとうございます、空鶴さん!」

話が終わった刹那、ズンと重い霊圧が辺り一体を包む。大地を揺らし、空気を震わせるそれは太く逞しく作られた腕のオブジェにすらヒビを入れた。

「一護の霊圧だ…。」

「あの野郎…一体なにしてやがんだ!?行くぞ!」

「はい…!」

走り出す空鶴の後を追い、地下へ続く階段を駆け下りる。練武場へ繋がる扉の前では、岩鷲が尻餅をついて呆気にとられており、すぐ様空鶴が声を掛けた。

「何だ!?どうした岩鷲!?何があった!?」

「ご…ごめん姉ちゃん…。俺…コツを教えてやっただけなんだ…それが…こんな事になるなんて…思いもしなかったんだ…!」

「一護!!」

ゆうりは扉を掴み勢いに任せスライドさせる。部屋から放たれる眩い光の中心では一護が霊珠核を手に持った状態で浮いており、部屋いっぱいに広がる程大きな膜を作っていた。それは彼自身の霊力の高さをそのまま現しており、チリチリと空気が肌を刺す。

「バカ野郎!!何してんだてめえ!!!さっさと霊力を固めやがれ!!」

「!!」

どうやら一護は霊力を込める事だけにただ集中していたようで、空鶴の怒号にハッと顔を上げれば上手く霊力を固め、一気に膜を縮小してみせる。後から来た井上達もその光景を見て口を大きく開いた。
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