第10章 尸魂界突入編
一護が一撃で撃沈させられた姿を見せられた事で彼女に対する恐怖心をしっかり植え付けられた井上達はぴしりと背を正し、彼女に従った。
地下に来た時とはまた別の廊下を歩く。そこは電気になりそうなものはひとつも無いのにやけに明るく感じる。
「明るいな…地下なのにどうして光が…発電施設も見えなかったけど…。」
「ホタルカズラを飼ってんだ。天井の穴と両ワキの木枠の上にな。」
「ホタルカズラ…?尸魂界だけにある植物か何かですか?」
「っと、着いたぜ。ここだ。開けろ岩鷲!」
「はい!」
「……………。」
「知ってるか?やり方が気に入らなかったら出てかなきゃいけないんだぜ。」
石田の質問に空鶴が答える事は無かった。が、それ以上追及すれば一護の二の舞になる事が容易に想像できた彼はそれ以上何も言わない。
「開けるぜーー!!そォーーーらァーーー!!」
「……お……!」
「…わ……!」
岩鷲によって重たげな扉が開かれた。そこには、とても大きな砲台が天に向かって伸びている。見たことも無い大筒に一護達はぽかんと口を開けた。空鶴は踵を返し歯を見せ笑う。
「な…なんだこりゃ…?」
「でかい…!」
「こいつでテメーらを瀞霊廷ん中にブチ込むのさ!空から!」
「空ァ!?」
「おれの名前は志波空鶴……
流魂街一の花火師だぜ!!」
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