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【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第10章 尸魂界突入編



ゆうりは指先でそっと取っ手を撫でてから両掌を二つの斧へ向けた。ふわりと柔らかな光が大きく包む。霊力を操り、回帰能力を使う事で斧は再構築されていくように欠片が集まり、再び形を取り戻して行く。

「な…な…!」

「凄いな、こんなことが可能なのか…!?」

「私より、ずっと早い…。」

「これは…井上と、同じ力か…?」

今まで何度か彼女の力にあやかった事のある一護は驚く様子は無い。しかし初めて光景を目にする3人は興味津々に覗き込み修復していく斧を食い入るように見詰める。
武器が元の形に戻ると霊力を使うのをやめた。兕丹坊は目を輝かせ、嬉しそうにそれを高らに持ち上げ感嘆の声を上げる。

「な…直っただ!!オラの斧、直っただー!!染谷、お前はすげえ死神だ!傷も、文字も、壊れたどきど変わらねえ!ごれはオラの斧だ!!」

「ふふ、良かったわ。これからもよろしくね。」

「おぉ!お前らも通っていいど!」

「え…ホ…ホントに僕達も通っていいのか…?」

「ああ…オラはお前えだづのリーダーに負げだ!お前えだづを止める資格はねえだ!」

「なっ…黒崎が僕たちのリーダーだって!?冗談じゃない!」

「何ムキになってんだよお前?」

何が気に入らないのか石田は不満げな顔で一護を指さす。リーダーと称された彼はさぞどうでもいいらしく腕を組み呆れた声を吐くだけだった。

「黒崎…って言うだかお前え…。」

「あぁ、黒崎一護ってんだ。」

「いちごか…随分とまあめんこい名前だなや…。」

「うるせえよ!一等賞の"一"に守護神の"護"だ!!めんこくねぇっ!」

「…気ィつげろや一護…お前えがなんの為にごの門をくぐるのが知んねえが…ごん中は強ええ連中ばっかだど!」

「わかってるさ。」

「……そうが…。いや、わがっでんならいいだ…ほれ、今門開げるがらのいでろ。腰抜かすなよ〜〜〜一気にいくど〜〜〜〜〜…。」

兕丹坊の太い指が門の真下にある地面へのめり込み添えられる。旅禍としてこの門を通る事は無かったゆうりもこの光景を見るのは初めてだった。彼は両腕に力を込め、その怪力にものを言わせる様にして自分より更に巨大な門を開く。
門が開く事により瀞霊廷から流れ出る、よく知った霊圧にすぐ様ゆうりはハッとした顔で外套のフードを深く被る。

「ごおおおおおおおおおおおお!!」
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