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【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第10章 尸魂界突入編



「言ったじゃろう。心と魂は繋がっておる。大切なのは心のあり様。前に進もうとする意志じゃ。案内役は儂が務めよう。迷わず、恐れず、立ち止まらず、振り返らず、遺してゆくものたちに想いを馳せず、ただ前に進むのみ。それが出来る奴だけ着いてこい。」

「…何寝ぼけた事言ってんだよ。ここに集まってきた時点で全員心は決まってんだよ!」

「わかっておるのじゃな小僧。負ければ二度とここへは戻れぬぞ。」

「勝ちゃいいだけの話だろ!」

「…その通り!」

四楓院は彼の目を見て瞳を細めた。覚悟は決まっているらしい。ゆうりは自分の胸に手を充て小さく息を吐いた。この門の先で、自分に何が出来るのか。何をするのか。確かめに行くのだ。今度は誰も、死なせぬ為に。
顔を上げ、穿界門を見上げる。その時だった。

「…ゆうりサン。」

「何………、っ!」

浦原に呼ばれ振り返ったと同時に唇が重なる。あまりの近さに焦点が合わずただ見開き身動きを取ることも忘れ固まった。すると、両腕がガバッと背中と後頭部に回され逃げ場を奪われた途端強引に舌が歯列を割り捩じ込まれ、咥内を荒らす。

「待ッ、ちょ…きす……んんんん〜〜!!」

「わっ、わっ、うわ〜〜…!!」

「あの阿呆め…。」

言葉を紡ごうにも遮る程深く乱暴な口付けにゆうりは彼の胸板をばしばしと叩いた。井上は両手で目を隠すが指の股からチラチラ覗き、四楓院は溜息を零し、石田と茶渡と一護に至っては真っ赤な顔で固まる。
漸く離れ、肩で呼吸を繰り返す。まさか一護達の前でこんな事をされるとは思ってもみなかった。浦原は濡れた唇をべろりと舌なめずりするや否や彼女の体躯を強く抱き締める。

「高校生が見てる前でなんて事するんですか!」

「スミマセン、なんかしたくなっちゃいまして♡……気を付けて行って下さい。決して、死ぬ事だけは無いように。」

「……死なないよ。ちゃんと帰ってくるから、待っててね、喜助。」

真剣な声音が耳元で囁いた。ゆうりは笑って彼の背中を1度軽くポンと叩く。
何だか妙に嫌な予感がした。彼女は、本当に無事でここに帰ってくるのだろうか…そんな胸のざわつきが止まらない。
蟠りが残るままゆうりの身体を離す。井上はすぐ様ゆうりにひっそりと耳打ちした。
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