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【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第9章 現世編(後編)



「だから僕は………え。」

振り返ると同時に、彼の頬へ柔らかいものが触れた。その感触が何かを理解するより先に彼女は数歩後ずさる。風で揺れる銀糸のような髪がとても綺麗に思えた。
悪戯っ子のように笑って、自分の唇に人差し指を添えるゆうりに何をされたのか察した彼は双眼を見開き口付けられた片頬を手で隠す。急激に顔が熱くなるのを感じて、わなわなと唇を震わせた。

「なっ…何を…!!」

「何があっても私は友達を守る、って約束の印。だから私が死にそうな時は雨竜も私を守ってね。」

「そんな一方的に押し付けられる約束なんて初めてだよ…。」

「雨竜は優しいから、来てくれるって信じてるよ。それじゃあね!」

片手を振り上げ、やっとの事帰って行くゆうりの後ろ姿をぼんやりと眺める。頬に口付けだなんて、本当に彼女は日本で育ったのか!?あんな強引な異性今までに出会ったことも無い。…のに、なんだこの感情。なんでこんなに心臓がバクバク鳴っているんだ。落ち着け石田雨竜。相手は死神だぞ。絆されるな、絆されるな…。
石田が大きく呼吸を繰り返し、ザワつく胸を鎮めるのに数分の時間を要した事などつゆ知らず、ゆうりは浦原商店へ足を運ぶのだった。


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