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【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第8章 現世編(前編)



表情の変化が比較的乏しいウルルだったが、おもちゃを見ている時は比較的嬉しそうに見えた。

「これがいい…。」

「うさぎのぬいぐるみ?この子で良いの?」

「はい。」

最終的に選んだのはウルルより少し小さいサイズの薄桃色をしたうさぎの大きなぬいぐるみだった。彼女はもちもちとした柔らかい感触が気に入ったのかそれをぎゅっと抱きしめる。丁度同じタイミングでジン太も欲しいものが決まったのか、彼はサッカーボールを持って走って来た。

「こら、走るなって言ったでしょジン太くん!」

「俺これがいい、サッカーボール!」

「ハイハイ、じゃあ一緒にレジ並ぼうか!」

3人は揃ってレジへ並びぬいぐるみ、サッカーボールそれぞれレジに通し袋を分けて各々に持たせゆうりはお金を支払う。おもちゃを手に入れたウルル達は大事そうにそれを抱える。

「ありがとう、ございます…ゆうりお姉ちゃん。」

「…………ボ、ボールの代わりに荷物もってやるよ!」

「ふふ、どういたしまして。それじゃあジン太くんにはウルルちゃんよりちょっと重いもの持ってもらおうかな。」

「俺は男だからな、ウルルより沢山持てて当然だぜ!」

「それは頼りになるなぁ。」

行きよりも上機嫌になった2人を連れてゆうりは食品売り場へ向かう。数日分の食料をしっかり買い込み、1番重い袋はゆうりが、次に重いのをジン太が、そして1番軽いのをウルルが持ち帰路につく。
商店に戻ると玄関には浦原が立っていた。彼は3人の帰宅に気付くなり持っていた扇子をパンッと開く。

「おかえりなさーい!ウルル、ジン太、ちゃんとゆうりのお手伝い出来たみたいですねぇ。偉い偉い!」

「ただいま、喜助。ジン太くんもウルルちゃんもとっても良い子だったよ。」

「ただいま!俺リフティングの練習して来る!」

「おっと…あらら、行っちゃいましたねぇ。ウルルは何買って貰ったんスか?」

「うさぎさん。」

ジン太は持っていた袋を浦原に押し付け商店を飛び出し、ウルルはそっとうさぎのぬいぐるみを取り出し彼に見せた。それを見た浦原は身を屈め彼女の頭を撫でる。

「可愛いうさぎさんっスね。大事にするんスよ。」

「はい…!」

こくんと頷きウルルは食品の入った袋を浦原へ渡し店の中へと入って行く。残されたゆうりと彼は2人で台所へ向かう。
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