第2章 過去編
「面倒な男というか、ゆうりとは正反対な男じゃなお主は…。」
笑うどころか、いっそ呆れ気味に溜息を吐く。ゆうりは結局不機嫌になった理由も何もかも分からず仕舞いになったが、有無を言わさぬ彼の言葉に首を縦に振った。
「さて、そろそろ行くぞゆうり。」
「はい。えっと…白哉、今までありがとう!わかり易かったし、楽しかった。また会った時はちゃんと御礼させてね。」
「…あぁ。」
ゆうりは軽々と四楓院に担がれ彼女の瞬歩でその場を去る。
十二番隊へと戻って来たゆうりはすぐ様浦原に報告に向かった。霊圧のコントロールが出来るようになった事を伝えると彼は嬉しそうに笑い、身を屈め彼女の頭をなでる。
「おめでとうございますゆうりサン。良く頑張りましたねぇ。」
「教えてくれた人が上手かったんです。これでやっと、皆さんの手を煩わせなくて済む。」
「誰も面倒だなんて思ってませんよ。ただ、ゆうりサンがここに居られるのはあくまでも特例措置。霊圧のコントロールが出来るようになったなら、瀞霊廷から離れないといけませんね。」
「…はい。あの、直ぐにでも行かなきゃならないんでしょうか?お世話になった人達に、挨拶しに行くのは許されますか?」
「モチロン!ボクもついて行きますよ。」
ゆうりは彼に手を引かれ、まずは一番隊の隊舎へと向かった。扉は大きく重い。ここに来るのは少し緊張した。
中から開けてもらい、向かった先は総隊長の元だ。
「お久しぶりです、山本元柳斎重國様。」
「久しいのう。元気じゃったか?」
「はい!総隊長のお心遣いのお陰で貴重なお時間を過ごさせて頂きました。短い時間でしたがお世話になりました。」
「頭を上げい。無事霊圧のコントロールが出来るようになったようじゃの。お主が死神として瀞霊廷に戻ってくるのをワシは楽しみにしとるぞ。」
「その時がもし来たらまたよろしくお願いします。」
一番隊での挨拶を終えたゆうりは四楓院とは直ぐに会えるだろうという事で二番隊を飛ばし、三番隊の鳳橋楼十郎と、雑談中だった七番隊愛川羅武へ挨拶を済ませ、四番隊へ寄った後五番隊へと足を運んだ。
「こんばんは、藍染さん。真子さん居ますか?」