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【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第7章 死神編【後編】



「…すみません、助力しようと思ったのですが、間に合いませんでした。2人とも治すのでじっとしてて下さい。」

ゆうりは直ぐに両手を2人へ向けると淡い光が包んだ。回道を使いボロボロになった身体を癒していく。一心は暫くゆうりを見詰めた。
背中を斬ったのは彼女か…?いや、だとしたらここで顔を出すメリットがねェ。それに、首に有るのは刀傷だ。助力に間に合わなかったってのは……俺を斬った死神と何かあったのか…?
様々な思考が頭の中を駆け巡った。けれどこれに関しては尸魂界に戻ればいつでも聞ける。今は滅却師の彼女の方が気になった。

「あいつを一人でやっちまうとは…嬢ちゃん何者だ…?」

一心に問いかけられた彼女は固まった。
どうしよう。あたしが滅却師だと知ったら、死神達はどうするだろう。

「ーーーーー私は、黒崎真咲。滅却師です。」

名乗った真咲に、今度は一心が表情を固めた。2人の視線が交差する。真咲の瞳は何処か怯えているような、それでいて彼の反応を試しているようにも見えた。

「ーそっか、滅却師か!実物見るのは初めてだ!いやァ〜、生で滅却師見れるなんてなんかトクした気分だなァ!」

裏表の無い笑顔に彼女は一瞬訝しげな顔をしたが直ぐに釣られて笑顔を見せる。滅却師は、絶滅した種族だと…死神によって滅ぼされた一族だと聞いた。滅却師だと名乗るのも相当勇気が必要だっただろう。けれど彼女がそれを隠さなかったのは、誇り故だろうか。
真意こそ知ることは無かったが、治療を終えると一心は立ち上がる。真咲も、肩の傷は塞がったようだ。通常の回道を使った為、制服に血と破かれた跡は残ってしまうがそれに関しては致し方ない。

「…戻りましょう、一心さん。貴方と話したい事が沢山有ります。」

「奇遇だな、俺もだ。」

「一心さんを救って頂いてありがとう御座いました。…またどこかで会えたら、友達になれたら良いですね。」

「!!…えぇ!」

真咲へ向かい深々と頭を下げた。彼女のお陰で彼は救われたと言っても過言では無い。すっかり傷の癒えた一心と共に、門を開け瀞霊廷に戻る。ゆうりと一心の間に会話は無かった。

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