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【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第7章 死神編【後編】



そこにいる、と確信した。今此処で捕えれば一心も居ることから彼らの裏切りを証明する事が出来るだろう。ゆうりは斬魄刀の柄を握り空へと飛び上がった。3人纏めているのかは分からないが、多分視線は虚の方へ向いている。背後など気にしてすら居ないはずだ。そう思い1度距離を取り背後から瞬歩で接近する。大丈夫、殺さない。少し手傷を追わせて動けなくさせるだけ…。

「…全く、いけない子だ。尸魂界で大人しくしていれば良かったものを。」

「…え。」

直前まで迫り斬魄刀を抜いた所で突如藍染が振り返る。此方に気付くとは微塵も考えていなかったゆうりは外套から覗く彼の瞳と目が合うまで、些かスローモーションの様に思えた。すると次の瞬間、後ろから喉に刀を突き付けられ、腹側に腕が回される。振り返ると市丸が口元に弧を描かせ笑っていた。

「縛道の四、這縄。」

「っ…!」

東仙がゆうりの手首のみ縛道で拘束させた。藍染はゆうりから視線を外し再び虚と一心の戦闘を観察しながら彼女へと声を掛ける。

「済まないが今興味有るのは君よりも虚と志波一心の戦闘だ。これが終わったら構ってあげよう。それまでは大人しくしていてくれ。」

「暴れたらアカンよ。ボクにゆうりを殺させんといて。」

「痛…ッ。なんで、なんで分かったの…貴方達と同じように、外套を使って、姿も見えない様にしたのに…!」

市丸の斬魄刀が薄い喉の皮膚をプツリと裂いた。真っ赤な血が刃を伝い彼の手を染める。ゆうりは奥歯を噛み締め此方へ見向きもしない藍染を睨む。

「私が同じ手に2度もかかると思うか?その外套は浦原喜助が最初に作ったものだね。鬼道を使い我々と同じ様に背景へ溶け込む様に改良したのはいい事だ。とても優秀だと言える。だがそれだけでは私より先に進む事は永劫叶わない。」

「染谷が此処へ来る事は想定内だった。藍染様に手を出す事は赦さない。」

「悔しいやろ。何しても藍染隊長に勝てへん事が。今回は大丈夫思うても、ボクらは常にゆうりの前におるよ。」

「うるさい、離して!貴方たち、一心さんまで殺すつもり!?」

「さぁ、それは彼の力量によるね。」

「最低…!」
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