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【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第7章 死神編【後編】



海燕が死亡してから数日後、ゆうりは浮竹に呼び出され十三番隊へと訪れていた。傍にルキアは居ない。浮竹と二人きり、テーブルを挟んでソファに座っている。あの日の事はルキアの居ない今、詳細を聞いた。まだ現実を受け止めるのには余りにも短く、誰を見ても沈んでいる様に見える。それ程迄海燕の死は多くの隊士に影響を与えているらしい。

「…十三番隊の隊舎は見ての通りだ。海燕は部下からの信頼もあったし、俺が体調を崩している時取り纏めていた男だったからな…。」

「そうですね…私も、困った時や悩んでいた時頼りにしていたのでとても辛いです。今も。」

「朽木もすっかり気落ちしてしまって、本当に見ていられないよ。…早速で悪いが本題に入ろう。……ゆうり、海燕の後を継いでくれないか?」

「え……。」

浮竹の言葉にゆうりは俯かせていた顔を上げる。それはつまり、副官になって欲しいという事だろうか。彼の目を見詰めるととても冗談で言っている様には聞こえない。

「頼めるのはゆうりしか居ないと思ってる。実力もそうだが…海燕も多分、推薦するとしたらキミを選ぶ筈だ。」

「そんな…私はあの人みたいに立派ではありません。十三番隊でもない私がこんな我儘を言う資格は無いと思いますが…副官の席を空けておいて欲しいです。誰からも愛されたあの人の代わりは居ないと思っています。せめて浮竹隊長が、この十三番隊を引っ張っている期間はどうか、副隊長の席を海燕さんのままで居させて頂けないでしょうか…。」

隊長は必ず、自分の隊に副隊長を設ける。特に浮竹の場合、身体が弱い事も加味して必要不可欠である存在だ。無茶な事を頼んでいる自覚はあった。けれど、どうしても副隊長になる気にはなれなかったし、その座を海燕以外が務めるのが嫌だと思ってしまう。

「…残念だな、やっぱり駄目か。しかしまぁ、君ならそう言うだろうとは薄々思っていたよ。」

「断ると思っていたんですか?」

「あぁ。ゆうりが断るのなら元より副隊長の座は俺が居る限り作る気は無いよ、安心してくれ。」

「良いんですか?しかし、そうすると浮竹隊長の仕事が…。」

「ちゃんと考えてあるさ。今回の件で三席も、殉職させてしまったからね…。この穴を、2人で埋めてもらおうと考えてる。」

「2人?」
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