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【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第7章 死神編【後編】



ルキアと知り合ってからというもの、暇が有れば十三番隊へと訪れていたゆうりは非番の今日もそこへ足を運んでいた。すっかり隊士達とも顔見知りになりすれ違う度頭を下げられ挨拶を交わす。

「こんにちは染谷さん!」

「こんにちは。ルキアは居る?」

「確か、海燕隊長と流魂街の森に行きましたよ。斬魄刀の鍛錬に行くとか。」

「そういえば、ルキアも始解出来るようになったんだもんね。ありがとう、見て来ます。」

ゆうりはルキアの所在を教えてくれた隊士に頭を下げ隊舎を後にする。笑顔で手を振りながらその場に残った男は彼女の姿が見えなくなった所で唇を歪に曲げて笑った。

「…ごゆっくり。」

小さく呟き彼はその場を去る。十三番隊の入口では市丸が扉の横で壁に背を預け男の帰りを待っていた。

「……その顔は上手くいったみたいやなぁ。藍染隊長。」

「あぁ。何もせずとも私の思う通りに事は運ばれるだろう。要が既に目的の場所へ向かっている。私も行くとしよう。」

「狡いですやん。ボクも見たいんやけど。」

「構わないよ、鏡花水月を使えば容易い事だ。ギンは本当に彼女が気に入っているね。」

「それ、藍染隊長が言います?ボクより先に手出しといて。」

「…なんだ、バレていたのか。ギンなら彼女を引き込むことも容易いと思って姿を借りたんだけどな。」

「悪い人やわ、ほんまに。ボクの姿で悪戯せんで下さい。」

「フフ、今後は私自身の姿で接するよ。安心するといい。ギン、外套を準備してくれ。愉しもうじゃないか。感動的な母子の再会を。」

ゆうりに触るのを辞めて欲しいんやけど。まぁこの人がそれを言うた所で聞く耳持つとは思えへんし。全く、誰にでも好かれるいうのも厄介なもんやなぁ。よりによってこの人に気に入られてまうとは。
市丸は肩を竦め無言で藍染の元を離れた。
彼らの話の中心となっている人物、ゆうりはといえば流魂街で海燕達の霊圧を探りひとけの無い森へと向かう。近づくに連れて霊圧同士の衝突を感じる。斬魄刀は始解をさせただけでは本来の力を引き出す事が出来ない。始解した所でやっと出発地点に立てるのだ。そこからどんな技を身につけるのかは本人の鍛錬次第である。ルキアは強くなる為に斬魄刀を持って彼に稽古をつけてもらっているのだろう。
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