第7章 死神編【後編】
「今制御装置ついてるし、麻痺の方が確実かと思って。巻こうと思っても巻けない位だから、今の霊圧じゃ更木隊長には、縛道も効果なさそうでしょ?」
「ならば何故私を呼ばなかった。」
「呼べる余裕なんて無いよ!ナマハゲみたいに恐ろしい顔で追ってくるんだよ!?」
「そうか…。」
静かにすっと手を差し伸べられてゆうりはその手を取った。軽く持ち上げられる様にして立ち上がり死覇装に着いた土埃を払う。
「斬魄刀を持ち歩けぬ今、この様な衝突は二度とは無いだろう。それと…貴様は絶対に隊舎からは出さぬ。覚悟しておけ。この様な面倒ごとは御免だ。」
「鍛錬所で身体動かすからいいよ…なんなら、白哉に鍛錬つけて欲しいな。」
「…なるほど、余程その足が要らぬと見える。少しは懲りたらどうだ莫迦者。」
「今回は絶対私悪くないもの……ん?」
未だ今回の処罰と言われように納得がいかず口を尖らせ歩いていると、彼の着ていた隊首羽織が肩から掛けられた。数回瞬きを繰り返し白哉を見詰めると、彼の視線は破れた袴部分へと落ちる。
「女が必要以上に肌を露出させるものでは無い。」
「…白哉は紳士だね!ありがとう。」
身長差がある故かなり大きく今にも地面に着きそうだったがかろうじて歩く度裾がヒラヒラと靡く。ゆうりは両肩に手を置きしっかりと羽織を握り白哉と共に隊舎へと戻るのだった。
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