第6章 死神編【駐在任務編】
「あ、ワイン美味しい!」
「1口ちょーだい!」
「白さんのも貰っていい?」
「良いよ!」
「明日あたし以外に仕事の奴おんの?」
「ボクと拳西は仕事だよ。」
「んじゃ休みが俺と真子か。」
「潰れた奴頼むで。」
「リサと拳西とローズは介抱するけどオマエは知らん、ちゅーか働いとらんやろひよ里!」
「あァ?今すぐオマエを酔わせ倒したろかハゲシンジ!!」
「やってみ……むごッ!!」
猿柿は1本焼酎の瓶を開けると平子の後ろ髪を掴み容赦なく瓶の口を突っ込んだ。重力に従いドボドボと口内に流れ込んで来る酒を浴びるように飲みながら彼女の頭を掴み引き剥がそうとするが中々離れない。
「はっはっは!!!どーや!」
「ひよ里、真子死ぬよ。」
「コイツが喧嘩売ってきたのが悪いんやど!!」
「せめて半分とっといてくれよ、俺も飲みてェし。」
「チッ…しゃあないなァ。」
愛川の一言に瓶を外す。食後といえど高濃度のアルコールを多量に摂取した平子はぐわんと視界が揺れた。椅子の背もたれにしがみつき猿柿を睨み指をさす。
「おどれひよ里ィッ……殺す気か!吐く時はオマエの頭の上に吐き散らかしたるからな!!」
「はんっ、やってみ!!返り討ちにしたるわ!」
「真子とひよ里ちゃんは仲良しだねぇ。」
「どちらかと言えば犬猿ですネ…。」
「おっ、これポッキリやん。知っとるかゆうり。現世にはポッキリゲームっちゅーのがあるんわ。」
「何それ?」
「このほっそいチョコのついた棒を男と女で両端から食べて、最後にちゅーするやつ。」
「初めて聞いた…リサさん詳しいね。」
「雅俗な事に関しては誰よりも詳しいよな。」
「アンタも酒浴びる様に飲みてゃーらしいな拳西。」
「事実じゃねーか。」
賑やかな時間はあっという間に過ぎて行く。1人、また1人と酔い潰れ自室に戻る人も居ればそのままソファで眠る者も居る。ゆうりも程よく酔いが回った所でさっさと歯を磨き軽くシャワーを浴びてから自室へ帰った。ただ寝るだけだったのでわざわざ電気は付けず、そのままベッドへ向かう。
掛け布団を捲り寝台へ上がろうとして気付く。何か有る。…というか居る?