第6章 死神編【駐在任務編】
「相変わらず男にモテるね、拳西は。」
「うっせ!」
「誰かに影響を与えるのって凄いなぁって。いつか修兵が拳西さんに会えたら良いのに。」
「…それはどうだろうね。」
「俺らは尸魂界に戻る気はねェしな。」
「うー…私は戻って来て欲しいのになぁ。元々尸魂界に追われてるのって、虚として判断されたからだよね?誤解を解けば戻れるんじゃないの…?」
「あのなァ、誤解が解けたとして相手は俺達を殺すように指示出したヤツらだぞ。一緒に働けるわけねェだろ。」
「……そっか。」
六車の言葉にゆうりはがっくりと肩を落とした。彼の言っていることは当然な主張だと思う。それでも1度は尸魂界で一緒に過ごしていた事もあり寂しい。
彼らは本気で死神を嫌ってるわけでも無ければ、戻るのが嫌という訳でも無い。ただ六車達にとって今は絶対に戻る事も、今現世で生きて居ることも知られてはならないのだ。裏切った男達はまだ、尸魂界に居る。しかも隊長格として3人。そんな場所へ戻るわけにはいかない。
「…わりィな。この話は一旦終わりだ。」
「ううん、寧ろごめんね。何も出来なくて。」
「拳西もゆうりも悪くないんだから謝るのはおかしいでしょ。それより早く帰ってディナーにしよう。」
家に帰ると仕事を終えた面々も帰宅していた。3人はそのままキッチンへ向かい手を洗った後エプロンを身につけ鳳橋は買ってきた食材を冷蔵庫へ仕舞い、六車は野菜炒めを作る為必要な食材を刻み、ゆうりは鮭のムニエルの下処理に取り掛かる。
リビングの椅子の背もたれ側を正面に座った平子は、背もたれに頬杖を付いてキッチンで忙しなく晩御飯の支度を進める3人を眺めた。
「なんや酒買うて来たん?」
「買い出し3人だったからね。皆の分有るよ。」
「ええやん、たまには酒盛りしようや!」
「ひよ里ちゃんにはジュース買ってきたよ!」
「うちはオマエより年上やアホ!!」
ゆうりの一言に猿柿はソファに寝転がり読んでいた漫画を床に叩き付けた。昔と比べたら随分私にも当たりが強くなったなぁ…。ちゃんと仲間で認められたみたいで少し嬉しく感じる。そんな事を言えば変だと思われそうだが。
「今日のご飯なにー?」
「鮭のムニエルと、キノコたっぷりの野菜炒めとー、冷奴!」
「美味しそう!お腹空いた〜!拳西はーやーくー!!」