第6章 死神編【駐在任務編】
「見てたぜ、やっぱ斬術より鬼道の方が得意なんだな。あの斬撃も霊力の塊だろ?」
「うん。花には養分が居るでしょ?私の斬魄刀にとってそれが、私の霊力。でも今は、限定霊印も打たれてるしアレが限界かな。」
「アンタ限定霊印打たれとんの!?見せてみ!」
「わっ!!」
矢胴丸はゆうりの襟元を掴むとぐいっと左右に引っ張った。咄嗟のことにゆうりは悲鳴を漏らすと男性陣はパッと顔を逸らす。流石に、位置的に見る訳にはいかない。というか、矢胴丸がわざわざ胸元を開きすぎだ。はだけさせた当の本人は露出した肌をまじまじと見詰める。確かに、胸元には隊章と同じ椿の花か僅かに浮かび上がっている。それで、猿柿と同格か僅かながらにもそれ以上…?制御装置が2つ付いているだけかと思いきや、とんだ勘違いである。新たな事実を知った面々は驚愕するばかりだった。
「…お前どう考えても隊長格だぞ。こんな所で駐在任務ついてる場合じゃねェよ。」
「ラブさんまでそんな事言う。私は隊長なんてやる器じゃないんですってば。」
「俺が隊長続けてたら喉から手が出る程副隊長に欲しいけどな。どっかのアホは仕事しねーし。」
「拳西大変だね!!」
「オメーの事だよ!!」
「ふふ、いいじゃない。私は今自分に出来ることをするの。そろそろ帰ろう、皆明日も仕事でしょ?もう遅いよ。」
「そうだな。」
ゆうりはいつもと変わらぬ笑顔で笑う。そんな彼女を見て彼らは悩んだが考えつく先は同じだった。矢張り藍染の手に渡る事だけは、絶対に避けなければならない。強大な力を持つ彼女が万が一完全に虚化したとしても、はたまた藍染の仲間になったとしても、いずれにせよ己らにとってとんでもない不利益になる。慎重に物事を進めなければ…。
彼らはゆうりの見えない所で顔を合わせ、大きく頷いた。
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