第6章 死神編【駐在任務編】
「他の奴らもリサに同意っつーわけだ。」
「意外と淡白な付き合いだなぁ。」
1人ノリノリで居るであろう平子を想像すると些か哀れな気持ちになりゆうりは苦笑した。しかも彼は自分を連れて行くつもりらしい。夜は仕事が有るのだが…。
顎に手を宛て首を小さく傾げて考える。
「あ、断っても良いぜ。仕事だろ。」
「うーん、そうなんだけど…花火観たいって気持ちも有るし、今ぱぱっと終わらせて来ちゃおうかな。せっかく浴衣選んでくれてるみたいだし…。」
「お前良い奴だなぁ。勝手にアイツが連れてく気になってるだけだってのに。」
「ほんまやで、寧ろジコチューやろ。」
「もう、リサさんまで。この前は真子の事褒めてたのに。」
「余計な事言うなっ!」
「へー、褒めてたのか?」
「黙れ拳西ウザイ。」
「口悪ィな。」
「ふふ、兎に角私は魂葬の仕事進めて来るね。真子が帰ってきたら楽しみにしてる、って伝えておいて。」
「おう、行ってきやー。」
ひらひらと猿柿に手を振られ、ゆうりは振り返ると部屋に戻ってから義魂丸を使い魂魄になった状態で外へと出て行った。残されたリビングのメンバーは顔を合わせ笑う。
「シンジとゆうり、なんか進展あると思うかぁ?」
「ないやろ。」
「つーかそもそも本気で好きなのか?」
「好きなんじゃないの?仕事抜け出したんでしょ。」
「だいぶ怒られたらしいデスネ。」
「えっ、なになになんの話し〜?」
「白は気にすんな。」
「白だけのけ者!?拳西のばか!酷い!スケベ!」
「最後の関係ねェしスケベじゃねぇよぶん殴るぞ。」
猿柿の問い掛けに矢胴丸が即答し、漫画を読む手を止めた愛川もすかさず会話に加わった。鳳橋は以前聞いた話を思い返すと肩を竦め、有昭田が更に苦笑する。全く状況を理解していない久南は首を傾げ、六車は彼女を適当にあしらった。
「なァ、尾行せん?そっちのがおもろそうやん。」
「そんならあたしも乗った。」
「おいおい、デート位ほっといてやれよ。」
「面白そうじゃない?ラヴも行こうよ。」
「白もー!」
「ワタシは…」
「嫌とは言わせんで!あのハゲシンジが何しでかすか見たァ無いんか!全員で行くでー!!」
「拒否権無いんデスネ…。」