第6章 死神編【駐在任務編】
「今日花火大会らしいで!!」
「ほー、そりゃええな。」
「んな事よりシンジ、明日オマエ風呂掃除当番やで。」
「ラヴ、漫画貸して。」
「俺の部屋あるやつ持ってっていいぜ。」
「拳西ー、お腹空いたおやつー!」
「自分で買ってこい。」
「全員休みが被るのは珍しいデスね。」
リビングではゆうりを除く8人がソファや椅子で寛いでいた。その中でも最初に声を上げたのは平子だったが、誰も興味を示さない様子に長く深いため息を吐き出す。
「なんやオマエら薄情な!たまにはええやろ、こういうのも!浴衣着て行こうや!」
「1人で行きゃあ。」
「暑いから嫌や。」
「めんどくせぇ。」
「俺も。」
「屋台ないのー?」
「ワタシも暑いのはチョット…。」
「皆が行かないならボクも良いかな。」
「っはー、つまらん。部屋でゴロゴロしくさりおって…!ゆうり誘ってくるわ。」
「ゆうりなら今任務で居らんぞー。」
「なら居らん間にゆうりの浴衣も借りて来よ。」
「強制的に連れてく気かよ。」
「なんや拳西羨ましいんか!!もう遅いぞ、オレはゆうりと2人で行くからな!」
「そもそも夜の方が忙しいんじゃねーの?ゆうりは。」
「伝令神機の電源落とすわ。」
「それ後々怒られるのゆうりじゃない…?」
「来んくせにぎゃあぎゃあ言うなやラブ、ローズ!オレは出掛けるからな!」
フン、と鼻を鳴らし平子は大きな音を立て家を出る。リビングに残った面々は彼に全く興味も示さず各々漫画を読んだり煎餅を齧ったりと自由を謳歌していた。
丁度その時、入れ違いに戻って来たゆうりは2階の自室の窓から部屋へと入り義骸へ入る。階段を降り、リビングに繋がる扉を開くとエアコンの涼しい風が身体を撫でた。
「わー、涼しい。さっき誰か出て行った?なんか、荒々しく扉閉まる音が聞こえたんだけど……あ、真子が居ない。」
「あのハゲなら花火見に行く言うて浴衣借りに行ったで。ゆうりも連れてく気満々やったど。」
「花火大会有るんだ、知らなかった!ひよ里ちゃん達は行かないの?」
「満場一致で行かん。わざわざこんな暑い日に出てくなんて嫌や。浴衣ダルいし。」
「屋台無いなら興味なーい。」