第6章 死神編【駐在任務編】
「えぇ!?」
市丸の言葉を信用し切っていたゆうりは目を丸めた。あの言葉が嘘だったとすれば最悪本当に子供が出来ていたのかもしれない。そう考えるとゾッとした。嫌という訳では無いが、確信犯過ぎる。
「そう言われたんなら丸め込まれただけや。そんなんやと、コイツ押せば抱ける思われるど。」
「それは嫌だな…。」
「そもそも、恋人でも無い男に触れられて嫌やないの?」
「そうなの嫌じゃないの!」
「うわ、びっくりした。」
「私って軽いのかな…。」
「軽いわ。流されやす過ぎやし。」
「うぅ……。」
「でもまァ嫌々やないならええんちゃう?告白する前に手ェ出してくるアホばっかみたいやけど、先に身体の相性見て付き合うっちゅーのもまま聞くしなぁ。というか告白されたらどないするん。」
「今は誰とも付き合う気は無いかな。喜助さんを探したいって目的で死神になったから、達成するまでは誰の気持ちにも応えられない。」
「…なるほどな。自分中でどうするのか決まっとるなら何も言わんわ。けどヤるならせめてゴムは付けや。」
「そ、そうします……というか、そう何度もそこまで流されません!」
「どうだか。あ、この話真子にはせんでおき。絶対腹立てるで。なんせ、祭りの日にゆうりの霊圧感じ取った途端仕事抜け出して向かった程アンタにまだお熱らしいからなぁ。」
「…え?」
「アイツ軽薄そうに見えて案外嫉妬深いし、何より仲間想いやからな。ウザい時もあるけど良い奴やで。まだ戸惑っとる事も有るやろけど、ゆうりには嘘つかんと思うわ。信じてやってや。」
「…うん、大丈夫。皆のことも信じてるよ。」
「ならええわ。」
ゆうりが屈託のない笑顔を見せると矢胴丸も控えめに笑う。その後、2人は最後の目的である食品売り場へ足を運び、女性では到底抱えきれなさそうな量の食品類を購入した後、ロッカーに預けた食器類を回収し帰宅するのだった。
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