第6章 死神編【駐在任務編】
「それは辞めて…!」
スリッパを固く握り締め威圧されると反射的に頭を庇った。それから食事を終えた面々は仕事に向かう。平子はアパレル、六車は土木、愛川はDVDのレンタルショップ、鳳橋は楽器屋で仕事をしているらしい。残る有昭田と猿柿、久南は主に家事や買い出しをしていたそうで、今日は倉庫に置かれたままの家具や雑貨類を取りに出掛ける。残る矢胴丸は本屋で仕事をしていたが本日非番という事でゆうりの買い物に付き合う事となった。
「これえぇやん、スカートギリギリで。」
「死覇装ばっかり着てたから露出のある服って久々でちょっと恥ずかしいね…。」
「何言うてんの、今夏やぞ!肌出さんでどうすんねや。」
ゆうりの部屋へ来ていた矢胴丸は彼女が昨日買ったばかりの服を引っ張り出しては身体に当てて服装を選んだ。昨日義魂丸に買わせた服は、暑いせいかノースリーブだったりスカートだったり非常に女性らしく露出の多いものばかりだった。その中から矢胴丸はゆうりに紺色のショートパンツと白のベアトップ、水色の薄手のカーディガンを羽織らせた。
「よし、行くで!」
「リサさんは制服でいいの?」
「あたしはこれ好きで着てるんや!」
矢胴丸に手を引かれゆうりと2人家から近所のショッピングモールへ足を運ぶ。かなり大きめな食器やそれぞれの箸、調理器具を選び1度近くのロッカーへ預けた後2人は食品売り場へと向かう前に本屋に寄った。広々としたそこは色々なジャンルの本が置いており、尸魂界の図書館と比べてもかなり本の数が多い。
「リサさん普段どんな本を読んでるの?」
「…ん?知りたいん?ならこっちや。」
ニヤニヤと笑う矢胴丸はゆうりの手を引いた。連れて来られたのは明らかに女性より男性向け、さらに言えばその中でも成人向けの本が立ち並ぶ場所だった。矢胴丸は適当に1冊掴むとぎこちなく視線を泳がす彼女へ差し出す。
「なんや、もう見れん様な歳とちゃうやろ。」
「や、そうだけど…!リサさん昔からこんなの読んでたの…!?」
「こんなのとはなんや!ええかゆうり。見るなって言われたら見たくなるやろ。」
「う…うん?」
「聞くな、って言われたら聞きたくなるやろ?」
「う、うーん…。」