第6章 死神編【駐在任務編】
ホカホカのご飯。綺麗に形の整った卵焼き。柔らかな香りの立つ味噌汁と、香ばしく焼けた鮭。朝食を作り終えたゆうりは同居する事になっ他住人達の部屋へと足を運んだ。
「ひよ里ちゃん、リサさん!朝ごはん出来ましたよー。」
「ふあぁ…ねむ……。」
「朝飯…?ゆうりが作っとんのか…。そんなん拳西に頼んだきゃあええんやで。」
猿柿は身体を起こすものの殆ど目を開かないまま布団の上でコクコクと船を漕ぐ。矢胴丸は1つ欠伸を零し眼鏡を掛けた。
「いいえ、以前お世話になった身ですから。これくらいさせて下さい。」
そう言って彼女は笑い次の部屋へ向かった。ノックをしてから扉を開くと有昭田と六車は既に目を覚まして居たらしく着替えまで終えている。
「おう、おはようゆうり。」
「おはようございマス。」
「おはようございます、六車さん、有昭田さん!ご飯出来たので良ければ食べて下さい。」
「わざわざ悪ィな。後アイツに言われただろ?俺の事は拳西でいいし、コイツの事もハッチって呼んでやってくれ。敬語も使わなくて良い。」
「いいんですか…?じゃあ、これからもよろしくお願いします、拳西さん、ハッチさん!」
「まともなの俺とハッチ位だし困った事が有れば言えよ。」
「皆さん個性的ですからネ…。」
「わっ…ありがとう!」
有昭田は控えめに笑い六車はゆうりの頭を乱暴に撫でる。乱れた髪を手ぐしで直しながらまた1つ隣の部屋を訪れた。
「愛川さん、鳳橋さん、朝ですよー。」
「うーーーん……。」
「…後20分……。」
「後20分は流石に長いです愛川さん。」
鳳橋は猿柿と同じように身体は起こすもののそれ以降目も開かず瞑想でもしてるかの様に動かない。愛川は枕に顔を押し付けるようにうつ伏せになり唸った。
「二人とも仕事ですよね?遅刻しますよ!」
「分かってる…。おはようゆうり。」
「おはようございます、鳳橋さん。白さんと真子を起こしに行くので愛川さんをよろしくお願いしますね。」
「オーライ…任せなよ。」
グッと親指を立てた鳳橋に愛川を任せ、次の部屋へ向かうと久南が布団からほぼはみ出た状態で幸せそうに眠っている。ゆうりは彼女へ近付き柔らかそうな頬をつつく。