第6章 死神編【駐在任務編】
「オマエが変な事言わんか見に行ったんやハゲシンジ。」
「ちょーっと、ゆうりの周りがどうなっとんのか探り入れただけやろ。藍染の事は言うとらん。」
面倒くさそうに言葉を紡ぐ平子は猿柿を連れて1度自分の部屋へ向かった。2人は互いに顔を顰めながら見つめ合う。
「…思うてたより市丸はゆうりに接触しとるっぽいわ。霊圧乱れとるの分かるやろ。多分、悩んどるんやろなァ。オレら信じるかアイツを信じるか。」
「ほんま腹立つわ、藍染の話もさっさとしたらええやんけ!こんな回りくどい事せんでもええやろ!」
「アホ、そんなスグ話しても余計混乱するだけやろが。喜助が藍染のせいで追放された事をゆうりが知ったら、絶対キレんで。ほんまに敬愛しとったからな。変に情報与えて向こう戻ったゆうりが藍染に敵意剥き出して、目ェ付けられたらどうすんねや。」
「…もし、正しい真実を知る前に藍染がゆうりを手懐けたら…ゆうりが自分の意志でうちらじゃなくて藍染を選んだらどないすんねん。」
「そん時はまァ……どうにもならんな、詰みや。」
「はァ!?」
「オレゆうりを殺すとか無理やし。」
「何甘ったれた事言うとんねん!!」
「そうがなるなや。別にまだ決まった訳とちゃうし再会したばっかやぞ。気長にいこうや。ほんにオレらを信じとらん内に話しても無駄やん。」
「…オマエのそういう所うち嫌いや。」
「ひよ里はもうちょい落ち着く事覚えや。そないやからバイトもできひんのやぞ。」
「それとこれとは話が別やろが!!もうえぇ、この話は終いや!」
「…ったく、面倒なやっちゃなァ。」
思い切りテーブルを叩いて立ち上がった猿柿は鼻を鳴らし部屋を後にした。平子は閉じた扉を見詰め息を吐く。
彼の呟きは誰に聞かれることも無く静かな部屋へ溶けていった。
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