第6章 死神編【駐在任務編】
話し合いの結果、ゆうりの住む一軒家へ移動する事が決まった。部屋は結局ジャンケンで決める事となり矢胴丸と猿柿、愛川と鳳橋、六車と有昭田、そして平子と久南が各一部屋と決まる。
「いやー、倉庫確かに広いんやけど暑い時はアホみたいに暑なるし寒い日はごっつ冷えるしで最悪やったからなぁ。」
「そりゃそうだよ…でも、居なくなった皆が生きてて本当に良かった。」
「そっちではボクらのことに関しては伏せられてるんだろう?」
「はい、隊長しか知り得ないみたいで…。京楽隊長から生きてるって話は聞いてたんですけど全然霊圧も感じられなかったから。」
「なんやあのオッサンまだ生きとんのかい。」
「リサさんの事も心配してましたよ。…簡単に死ぬ事なんてない、絶対生きてるから大丈夫と言っていました。」
「…余計なお世話や。」
そう言って矢胴丸は顔を逸らす。それからなんでもない雑談をしている内にゆうりの家へ到着する。想像していたより大きな家に彼らは驚き、真っ先に声を上げたのは猿柿だった。
「でっか!!要らんやろこんなでかい家!」
「白哉が自分の部下にみすぼらしい部屋は与えられないって…凄いよね。どうぞ上がって下さい。」
「…ほー、隊長を呼び捨てか。」
「瀞霊廷でお世話になってた頃から友達だったんだよ。」
「絶対下心あるで、ソイツ。」
「そんな事ないよ!白哉はもう結婚してるもん。」
「どうだかなァ?」
部下にみすぼらしい部屋与えられんって、建前やろ。一定の好意でも無いとこない立派な家普通渡せんわ。元々キレーな顔しとったし、大きくなってもまぁモテるやろとは思うとったけど…やっぱ腹立つなァ。
平子は些か不機嫌な顔をしながら1番最後に家へ入った。ゆうりは既に帰宅していた義骸に戻り、それ以外の面々は誰がどの部屋を使うかを決める。最初に現世へ来た時は誰も居ないこの広い空間を寂しくも思ったが、部屋の外から聞こえる賑やかな声にゆうりは頬を緩めた。
「なんだか全部夢みたいだな。」
ずっと会いたかった人達に会えて、またこうして元気な姿を見れて。ゆうりは上機嫌気味に今日義魂丸が購入して来た服やカバンの整理を進める。すると不意に部屋の扉がノックされた。
「入ってええかー?」