第6章 死神編【駐在任務編】
「ほん、とに…虚みたいな霊圧になってる…。」
「ま、そういう事や。オレらは尸魂界に戻る気は無い。元々あちらさんは殺す気で居るみたいやし?今はこっちでなりを潜めてそれぞれバイトなりなんなりしながらテキトーに生活しとるわ。」
「そうなんだ…。」
ゆうりは顔を伏せた。彼らは何も悪いことをしていないのに。任務で向かっただけなのに。こんな理不尽な仕打ちを受けていただなんて思いもしてなかった。それが自分の事のように辛い。顔をうつ向けたまま黙るゆうりに猿柿は鼻を鳴らし、彼女の頭をスパンと叩いた。
「痛っ!?」
「何でゆうりが辛そうにしとんねん!!うちらはとっくに割り切っとるんやぞ!そんな顔される筋合い無いわ!」
「ご、ごめん…。」
「まぁ、ひよ里の言う通りボクらは今こっちで好きにやってるからね。困ることが有るとすれば生活費位だし。」
「ひよ里の見た目が餓鬼すぎて何処も雇ってくれねーからな。」
「うっさいわラブ!黙っとれ!」
「白も続かねーしな。」
「拳西だってこの前喧嘩して追い出されたじゃん!」
「えっと…それなら、皆さんうちに来ますか?」
突如ゆうりの口から出た提案に彼らの視線が一気に集まった。矢胴丸は怪訝そうな顔でゆうりを見詰める。
「何言うてんの、ゆうりの家は向こうやろ?」
「今、長期の駐在任務で現世に来てるんです。隊長からこっちで住む家を与えられたんですけど…物凄く広くて。1人で住むには逆に寂しい位だったので。」
「1人で住むのに寂しい位広い家ってどんなだよ…。」
「普通アパートとかやろ、借りるとしても。」
「ウチの隊長お金持ちで…金銭感覚がちょっとアレなんです…。」
「あぁー…六番隊っつーと朽木家か。そりゃ納得だぜ。」
「ええやん、オレはゆうりん家住むわ!」
「白もー!」
「本気で言ってんのか、うるせーぞコイツら。特に白。」
「はい、まぁ部屋の数足りないので2人で一部屋とかになっちゃいますけど…。」
「オレはゆうりと同じ部屋な。」
「アホか、家主は1人部屋に決まっとるやろ。そもそも空き部屋どんだけあるん?」
「私の部屋抜いたら5つですね。後はリビングが有ります。」