第6章 死神編【駐在任務編】
「んん……あれ、寝てた…。」
目を覚ますとそこは布団の中だった。辺りを見渡せばとても殺風景な…部屋というより倉庫のような造りの中に居た。ここが何処なのか、時間すら全く分からない。ただ着ている服が死覇装であるのを見る限り義骸は脱いだままらしい。何があったのか記憶を辿る。
「おー、起きたか。気分はどうや?」
「ゆうりん久しぶりー!!」
「わっ、白さ……きゃー!」
部屋には階段が着いており、2階から顔を覗かせたのは平子と久南だった。柵に手を置き見下ろすだけの平子に対し久南は柵を飛び越えゆうりの上へ降って来る。殆ど潰される形で受け止めたから良かったものの、騒ぎを聞き付けたらしい他の面々も顔を出し、階段を使って降りて来た。
「元気そうじゃねェか。死神になったんだろ?」
「六車さん!」
「久しぶりやん、色々デカくなったなー。」
「リサさん!」
「やぁ、初めて会った頃より、美しく育ったみたいだね。」
「鳳橋さん!」
「こっち来てるって知った時は驚いたぜ!」
「愛川さん!」
「なんや、シケた面しとったって聞いとったのに案外ピンピンしとるやんけ!!」
「ひよ里ちゃん!!」
ぞろぞろと現れた彼らに再び眦に涙が浮かんだ。しかしそう何度も泣いてはいられない。ゆうりはぎゅっと目を閉じ首を軽く左右に振り、満面の笑顔を浮かべ飛び付いてきた久南を抱き締めた。
けれど疑問に思えることが幾つかある。1つが、知らない男がいる事。もう1つが…浦原達が居ない事。
「初めマシテ。有昭田鉢玄と申しマス。以前は副鬼道長をしていマシタ。」
「染谷ゆうりです。今は六番隊四席を務めています。よろしくお願いします、有昭田さん!」
彼と握手を交わす。大柄な男だが優しい雰囲気を纏っており怖いとは思わなかった。初対面の有昭田と挨拶を終えると、ゆうりは困惑した表情を彼らに向ける。彼女の言いたい事は何となく誰もが察した。
「喜助ならここにおらんぞ!!ねこばばあもや。」
「えっ……。」
「まァとりあえずアレやな。何でオレらが現世に居るかちょっと話したるわ。気になってんねやろ。喜助の事も含めて。」