第5章 死神編【中編】
「ありがとうございます!」
「あの、ゆうりさん達は今何番隊に所属されているんですか…?」
「俺が九番隊の三席、ゆうりが六番隊四席、蟹沢と青鹿は七番隊の十七席と十八席だよ。」
「全員席官!?」
「私と青鹿くんは最近なったばっかりだよ。ゆうりちゃんは初めからだったし、檜佐木くんは去年からだよね?」
「まぁな。」
「す、凄い人達に僕らは見てもらっていたんだな…。」
席官といえど数千居る隊士の中ではほんのひと握りしか居ない。その席官をこの4人が受け持っているのだから流石に驚いた。
「そろそろ行こうか。皆あと3年間頑張ってね。一緒に働くの楽しみにしてるよ。」
「真面目に授業受けろよ。」
「またね!」
「じゃあなー。」
クラスを後にしたゆうり達は、以前現世へ行く前に集合した場所へと向かった。既に生徒は集合しておりこれから行われる実習に何処か不安げな様子だ。
そこへ4人が現れると生徒達は大きくザワつく。この様子が既にデジャブを感じてゆうりは苦笑する。
「俺知ってるぞ…真央霊術院創設以来の美女であり、天才と言われる染谷さんだ…。」
「まさか入隊前に拝めるなんて…!」
「想像してたよりすげー美人だ…。」
「ったく…相変わらず実習ってなるとこんな感じだな。」
「初めてだもの、緊張もするよ……あっ、冬獅郎!」
多数居る生徒達の中でも一際小さい彼を見つけるなりゆうりは手を振った。名前を呼ばれた張本人は目を丸め、生徒達の注目が一身に注がれる。
「な……なんでアイツがここに…。」
「知り合いか?冬獅郎。」
「…何回か森で会っただけだ。」
日番谷の隣には長身で黒い髪をした好青年に見える男が立っていた。話しているところを見る限り多分彼が以前言っていた友達なのだろう。
己以外の者と話す姿にゆうりは、まるで自分の事の様に嬉しそうに笑っていれば不意に頭へ衝撃が走った。何事かと振り返れば檜佐木が呆れた顔で生徒名簿片手に溜息を吐く。
「お前な、全然変わってねーじゃねぇか。もっと緊張感持て、緊張感。」
「また名簿で叩かれた…痛い…。」
「あの時と一緒だね。」