第4章 死神編【前編】
「挿れんで、力抜き。」
「き、て……!」
ぐっと腰を押し進める。まだ一切使われていない狭い入口を強引に開きゆっくりと挿入していく。暖かい中へ包まれていく感覚が心地良い。ゆうりは指とは全く違う強い圧迫感に痛みは無くとも無意識に力が入ってしまいそうで浅く荒い口呼吸を繰り返し、彼の背へ爪を立てた。
「ッ……はっ、ゆうりん中…溶けそな位熱いわ…。」
「ひ、ぁっ………ギン、の…おっき…!!」
背中に残される傷すら愛おしい。己を受け入れる為に耐える姿がいじらしい。瞳を濡らし、零れる涙が宝石の様に美しい。市丸は1度浅く息を吐き零すと一気に腰を打ち付けた。肌同士がぶつかり、先端が奥まで届く。
前触れなく最奥まで突かれたゆうりは声にならない悲鳴を上げた。
「っ………!!」
「いてて、力抜きや…。」
断続的に繰り返される強い締め付けに市丸は眉を寄せたが、余裕のないゆうりはただ小さく首を横に振るわせた。見兼ねた市丸は片手を頬へ添え親指で彼女の唇を割り強引に開かせる。
「ぇうっ……!ふっ、あ……!」
「落ち着いて、口で呼吸し。ボクの入っとるの分かる…?奥までちゃぁんと、入ったで…。」
指を引き抜き代わり吸い付くように軽い口付けをすると背中へ回されていた腕の力が強まった。ゆうりは眉を下げ潤んだ瞳を彼に向ける。その姿が余りに扇情的で、思わず生唾を飲み下す。
「動い、て…いいよ…!」
「…ほな、遠慮なく。」
普段余裕ある表情は今はあまり無かった。市丸は彼女の細い腰を掴むとゆるりと先端まで引き抜き弛緩に腰を打ち付ける。膣の内壁を熱い性器で余すことなく擦られる。その感覚が気持ち良くて、まるで麻薬のように頭の中を痺れさせた。
「ぁっ、あ…!ギンッ……気持ち、いい…?」
「気持ちえぇわ…ボクの絞り取られそ…!」
「私も、気持ちいい……っん、あ…!!」
抽挿を繰り返す度グチュグチュと愛液と先走りが混ざる淫猥な水音と肌同士ぶつかる音がただ響く。深く大きいストロークから時折浅い位置を小刻みに性が擦り再び快感の波に呑まれそうになる。
「っは……なぁ、ボクの事好き?」
「今、聞かないで…!!」
「はは…それもそやな…っ!」
「ギン……ひ、んっ、あぁッ!待っ、おく、やだぁ!!」