第4章 死神編【前編】
腕を組みふんぞり返るゆうりを海燕はなんとも訝しげに見詰める。そして頭のてっぺんから爪先まで見下ろした後鼻を小さく鳴らし笑った。
「身体は成長しても中身がな…。」
「し、失礼……!!浮竹隊長もなんとか言って下さい…!」
「ははっ、そうだなぁ。ゆうりは昔も今も変わらず魅力的だよ。」
「ほら、海燕副隊長もこれくらい言えるようになって下さい!」
「遠回しに中身変わってねぇって言われてるんだぞ。」
「……。」
海燕の言葉にハッと顔を上げ浮竹を見ると誤魔化すように微笑まれた。ゆうりは拗ねたように唇をへの字に曲げ海燕を睨む。
「もうっ!海燕副隊長の意地悪。怪我しても治してあげませんからね。」
「それは困るな…。今のは全部冗談だよ、機嫌直せって。な?」
「…機嫌直してほしかったら今度甘味奢ってください。」
「ハイハイ、約束な。」
「…ふふ、はい。楽しみにしてますね!」
「これはまた、アレだなぁ…。」
浮竹は顎に手を添え苦笑した。この約束をゆうりから提案して来る所まで彼の計算だとしたら随分強かになったものだ。ゆうりはそんな事を考えもしないのだろうけれど。
それから暫く談笑を楽しんだゆうりは十三番隊隊舎を後にした。
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108~116裏注意