第4章 死神編【前編】
「ゆうりちゃん、ずーっと寂しそうな顔してるじゃない。笑ってるけど、どこかやっぱり辛そうだしね。何年もめげずに調べ続けてたら、応援したくなっちゃうじゃない。」
彼の言葉に衝撃を受けた。居なくなった彼らを忘れた日は無い。今だって会えるならばすぐにでも会いたいと思ってる。それでも表情には出していないつもりだったし、昔と変わらないと、己自身思っていた。けれど、この人は自分でも自覚してない様なことを見透かして来るらしい。素直に素晴らしい観察眼だな、と感じる。
「……そんな寂しそうな顔してました?」
「してるよ。」
京楽の腕が弛緩にゆうりへ伸ばされる。頭の上にぽんと乗せられたかと思えば優しく左右に動き撫でた。その心地良さが何処か浦原を彷彿とさせ眉が下がる。
「辛い時、泣きたい時は周りを頼るといい。君にも仲間が出来ただろう?特に同期は大切にしなよ。」
「…はい。」
「浦原くん達もきっと見つかるさ。」
「そう、ですね。生きてるのなら絶対また会える…。死んでないって事が分かって良かった…。ありがとうございます、京楽さん!」
「礼なんていいよ、その代わり絶対山じいには秘密にしてよー?ボクが教えたなんてバレたら炭にされるからね。」
「ふふっ、言いませんよ。」
「うんうん、やっぱり女の子は笑顔の方が良いねぇ。」
満足そうに笑った京楽にゆうりもつられて笑う。また1歩だけ、彼らへ近付けた気がした。必ず見付けて…また一緒に暮らせますように。そう強く願った。
*