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【刀剣乱舞】まるで夢物語のような

第1章 事の始まり


ちらり、と数歩先に居る布を被った美人さんを見やる。さらりとした金髪、澄んだ碧色の瞳、そして白い布。嗚呼、この人確かにかの和装さんの言う山姥切国広だ。うん、実際に彼のコスプレしたしな、うん。流石にさっき忘れてたとはいえ、分からなきゃな。って待て待て、本人綺麗すぎやしないだろうか。



………ん?


そう、何か色々と考えていたそのとき。ふと私は違和感を覚えてしまった。そう、これはこれは可笑しな違和感。


_山姥切国広、というキャラクターはゲームの世界の者ではなかったか、ということ。


オタクの馴染みが散々私に勧めていたし、なんと言ってもコスプレさせられたときに基本知識やら何やらを詰め込まれた覚えがある。だから彼のことのみならば、オタクには負けるけども少しは知っているのだ。

……ならば、目の前のそのキャラクターに似た容姿と同じ名を持つ彼は一体何者か?その疑問が、私の中で浮上してくる。
見たところ、コスプレをしているようには見えない。声も、ボイス通りだった、気がする。
そして、此処で辺りを見回してみましょう。此処は自分とは全く関係のない見知らぬ和室。家具すらもThe・昔みたいな感じの内装だ。取り敢えず知らない場所にいる、ということが分かる。

ここから考えられることは二つ。
一つは私が妙にリアルな夢を見ている、ということ。だがしかし、ここまで現実味がありすぎる_というかほぼほぼ現実の夢なんて見たことが無いから可能性は低いだろう。
ならば考えられるのは後一つ。毎度毎度嬉々として馴染みが話してくれる、所謂二次元に行けると言われている“トリップ“なるものをしてしまったということ。ぶっちゃけ後方なんて無いだろう、と考えていたのだがどうやら現実夢、というだけでは説明不可能な事ばかり起きてしまっている。




「これは予想だにしない展開だな…」

そんなこと、起こると思ったことも無かったのでつい驚きでそうぼそりと聞こえないような小さな声で呟いた。

もし、そうならば私はこれからどうすれば良いのだろう。ちゃんと馴染みの奴にこのゲームのこと聞いておくんだった。
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