第1章 事の始まり
眩い光が無くなった気がして、恐る恐る目を開ける。元の自分の家に帰れたのだろうか。なにか、私変な言葉を口走った気がしたのだが。そう考えながら辺りを見回した瞬間。
驚きで身体が一気に硬直した。
何故なら_真っ先に目に入ったのが緑色の畳に白い襖というまぁ所謂和室、とやらと、そして此処からが一番驚いたのだが自分の数歩離れた所に和装の背の高い男の人と布を被った顔があまり見れないが多分結構美人な人が立っていたから、である。
………いや、待て待て待て待て。此処何処、こんな和風な部屋私の家には無いんですけど…!それどころか畳すら有りません!しかもこの部屋何か凄い凝った作りしてるし…。
ま、まぁ数歩譲ってそれは良しとしよう。……だが…目の前のこの人達誰!?え、こんな人見たことないし!何で見たことの無い人と同じ部屋にいるの、私は?え、え?ヤバイ頭が混乱してきた。
取り敢えず動揺しすぎてばくばく強く音をたてている心臓を落ち着かせている為にゆっくり深呼吸を繰り返す。吸って、吐いて、という単純な動作を繰り返すとだんだん心も落ち着いてきたみたいで、先程までのような混乱は次第に無くなっていった。
さて、本題に移ろう。取り敢えずこの人達は誰なんだろうか。見ている限り此方に害を与えるようなことは無さそうだが…あ、でも布の人刀持って、え?刀?あれ、可笑しいな。銃刀法違反では…?え、待って前言撤回やはりここ危険だ。
そう、私の脳で脳内会議をしていたそのとき。
「…すまん、ひとつ確認してもいいか。……お前、本当に山姥切国広なんだよな…?」
和装の背の高い男の人からそう戸惑った声で質問されてしまった。
……え?山姥切、国広?