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恋に落ちて 〜織田信長〜

第73章 来年の今頃は 〜お正月sp〜



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「わぁっ!相変わらず素敵な御殿ですねっ!」

イチャイチャしながらも別宅へと着いた私と信長様は、三年半振りの別宅の景色を懐かしんでいた。

それにしても、

(ダメだ、見る所見る所、信長様に抱かれた記憶しかない)

ここに初めて来たのは信長様の誕生日で、吉法師がまだお腹にいた頃。

特に厨では、裸にエプロンと言うエロ漫画のような格好をして作業台の上で抱かれたと言う、とんでもない記憶が残っている!


「早速だ。風呂に行くぞ」

「あ、はい」

信長様はいつも通り涼しい顔で私の手を取り湯殿へと向かう。

湯治だって言っていたから、いきなりお風呂と言われても驚きはなかったし、私達は互いにすれ違いが生じた時には一緒にお風呂に入って仲直りをすると決めている。

洗い場で互いに体を洗い合い、湯舟へと浸かった。



「城より近くにあると言うに、思ったよりも来られないものだな」

旅館に負けない程豪華な石造りのお風呂場の中、信長様は私を膝の上に乗せた状態で檜にもたれて呟いた。

「そうですね。子供ができると中々遠出はできないなんて、あの頃は分かりませんでした」

授乳におむつ替えに着替えにって、子供を連れて出歩くのは子供のコンディションも含めて中々難しい。(特にこの時代は馬か歩きか籠での移動になる為)

「そうだな」

「じゃあ来年は家族で来ませんか?」

来年になれば吉法師は四歳で紗菜は二歳に近づくから少しの移動なら出来そうだ。

「残念だが、それは叶えてやれそうにない」

てっきり、そうだなって言ってくれると思っていたのに、信長様の口からは意外な答えが返ってきた。

「え?あ、そうなんですね。やっぱりお忙しいですよね」

きっとわかりやすくしゅーーーんと落ち込んだのだろう。

「アヤ」

信長様の手が私の頬に当てられ、触れるだけのキスをされた。

「?」

キョトンとして信長様を見つめていると、

「前回の和議で、毛利との和睦が成立した」

予想外の言葉が飛び出した。



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