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恋に落ちて 〜織田信長〜

第73章 来年の今頃は 〜お正月sp〜



「子供達の事なら、侍女にも懐いておるし心配はいらん」

私の頭を撫でて信長様は説得する。

「はい。でも……」
(分かってはいるけど、やっぱり心配だ)

「俺と二人になれる事を喜ばんのか?」

「え?」

「俺は、貴様と二人の時間が欲しい」

紅い目が強請るように私を覗き込んだ。

「っ……」
(その目、ズルい!)

一緒になって早四年、信長様は”甘える”ことを覚え、それを巧みに使う様になった。

「それは私だって、二人でゆっくりできたらって思います」

そして私は、まんまとその甘えに引っかかる。

「ならば決定だ。明日早朝に出立する」

パァッという言葉がピッタリと当てはまるくらいに嬉しそうな顔で信長様は決定を伝え、私の体を絨毯の上に倒した。

「えっ…と、信長様?」

(もう褥で寝る時間なのに絨毯に押し倒しましたね?)

「何だ?」

ご機嫌な旦那様は、私の呼びかけに答えながら私の寝間着の紐に手をかける。

「待って下さい!」

素早くその大きな手を掴んで止めた。

「その手は何のつもりだ?」

お決まりの不機嫌な顔が私を見下ろす。
でも結婚して四年、私だってやられっぱなしではない。

「明日は早いならもう寝ないとですよね?」

「案ずるな、いつもと同じく俺が起こしてやる」

「いや、そうではなくて…、今から致してしまうと私は絶対に起きられませんので、大切な二人旅のためにも寝ませんか?」

「除夜の鐘を聞きながら貴様を抱き新年を迎える。俺たち夫婦の大切な恒例行事を無視する事はできん」

「なっ、っ、いつそんな恒例行事がっ!」
(初耳ですけどっ!)

「俺から貴様を奪う事は、貴様と言えど許さん」

「あっ、ちょっ、まっ…ぁぁん!」

寝間着はとっくに暴かれていて、信長様は私の胸に触れて首に口づけを落とした。

「貴様が常に足りんと言っておる」

カプッ、レロッと、慣れた手つきと舌が私をその気にさせようと体を這っていく。

「んっ、信長様…」

結婚して四年経っても私はやっぱりやられっぱなしで…

「っ、一回だけですよ?」

一回で済む訳はないと知りつつも、結局、信長様との快楽に溺れてしまった。




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