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恋に落ちて 〜織田信長〜

第73章 来年の今頃は 〜お正月sp〜



「っだから、二人でここに?」

きっとこの二日間だって休みを取るのは大変だったはずなのに。

「俺は貴様にベタ惚れだからな。いつだって貴様を俺だけのものにしたい」

ニッと笑う顔が近づいて、唇が重ねられた。

「ん、」

信長様は、本当に私を喜ばせる天才だ。

嫉妬もするし、疑いもするし、少しのことですぐ不安になるけど、信長様がいつだってその不安をすぐに拭ってくれて、溢れんばかりの幸せで包んでくれる。

「今年は、なるべく嫉妬をしないように頑張ります」

京や大阪の美しい女性達からきっとたくさんの誘惑があって大変そうだけど、信長様を信じて嫉妬をしないように頑張ろう。(……と思う)

「俺だけを見ていろ。さすれば俺がどれほど貴様しか見ていないかが分かる」

「っ私だって信長様しか見てません」

「ならば証明して見せよ」

顔に当てられた手がするりと私の横髪を梳く様に差し込まれ、口づけが落ちた。

「っ……ん、」

互いに唇を啄み合い、合わせ、そして深く重ね合う。

「っぁ、っ、ん」

隙間なく体を合わせ湯の中で夢中に口づけ合う。

「出会った頃と変わらず貴様は綺麗だ」

「信長様だって、ずっとカッコいいです。それに…」

ツンッと、アレがお尻に当たった。

「(あそこも)変わらず元気でご立派です」

本当に疲れ知らずで、私はいつだって幸せな寝不足だ。

「ふっ、最大の褒め言葉だな。貴様はやはり俺を煽るのが上手い」

不敵な笑顔に見惚れていると、噛み付く様な口づけをされ湯船が大きく波打った。

この日、私のお腹に新たな命が宿り、来年の今頃には家族が新たに増える事になるのだけど、それを知るのはもう少し先の事。

信長様と共に過ごした安土とお別れをするのは寂しいけれど、来年の今頃は新しい土地で家族揃ってお正月を迎えるのだと思うとそれも楽しみで、私は信長様の腕の中、近い未来に胸を弾ませた。



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