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恋に落ちて 〜織田信長〜

第72章 夫婦の絆〜信長様誕生日sp〜



「こちらです」

私は隣の間に続く襖を開けた。


そこには、私と先ほどの女性が連れて来た二人の赤ちゃんが寝ている。


「………双子であったのか?」

信長様は不思議そうな顔で赤ちゃんの元へ歩いていく。

「だが似ておらんな。双子ではないのか?」

二人の赤ちゃんを見比べ、信長様はますます不思議そうにしている。

「双子ではありませんが、二人とも信長様の子供です」

「なんだ、嫌に含みを持たせた言い方をするな。何の謎かけだ?」

つっけんどんな私の対応に信長様は顔をしかめた。

「双子ではないが、俺の子とはどう言う意味だ?」

「そのままの意味です。一人は私の産んだ子で、もう一人は別の女性が産んだ子です」

「は?」

「この赤ん坊は二人とも信長様の子ですが、私の子は一人しかいないって言ってるんですっ!」

冷静に話そうと思っていたのに心が我慢できず、感情的な物言いになってしまった。

「貴様、先ほどから何を言っておる?」

あくまでもシラを切るつもりなのか、信長様は不満げに私を見た。

「……っ今日、見知らぬ女性が来て、一年半ほど前から信長様と堺で逢瀬を重ねて子を授かったって…」

「阿保らしい、貴様まかさそれを信じたわけではあるまいな?」

「もちろん最初は信じませんでした。その方にもお帰り下さいって言いましたけど、証拠の品があるって言ってこれを……」

私は信長様に女性が持って来たエロ襦袢を差し出した。

「何だこれは?」

「自分で贈っておいて覚えてないんですか?夜を盛り上げるためにって言って女性に渡したんですよねっ!」

「こんな悪趣味な物、俺の趣味ではない」

信長様は一瞥すると、ポイっとそのエロ襦袢を投げ捨てた。

(いやいや、あなた毎年私にそれを着せてますよねっ!)




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