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恋に落ちて 〜織田信長〜

第72章 夫婦の絆〜信長様誕生日sp〜



家紋は武将にとってとても特別な物で、その家紋の入った物を与えられると言うことは、戦で武功を立てたなど大きな成果を上げないと中々ない事だ。

「うそ…..」

それ程に大切な家紋をこのエロ襦袢に入れてこの人にあげたの?

(いやいや、騙されるな私…)

でも、俺の女だと分かる様にって、言い回しが信長様っぽくない?

「もしも子ができ生まれたら、この襦袢を持って安土城に来いと言われました」

頭を悩ます私に、女性は更に追い打ちをかける。
ダメだ。怯むな私。

「っ、そもそも、あなたはどうやって信長様と知り合ったんですか?」

「信長様とは、一年半ほど前に堺で出会いました」

「堺?」

遠征先でってこと?

「中国攻めでお疲れの信長様をお慰めする様にと呼ばれ、枕を交わしました。その後も堺にお立ち寄りになる度に私を求められるようになって、やがてこの襦袢を贈って下さいました」

頬を赤く染めて話す女性が嘘を言っているとは思えない。

「やがて愛された証がお腹に宿った事がわかると襦袢に家紋を入れて下さり、そして無事生まれたらこれを持って安土へ来いと言って下さいました」

それって……

「あなたを、あなたと子供を信長様は迎え入れると言う事?」

「はい。アヤ様が子供を立派に育てて下さるだろうと信長様が……」

「はっ?」
(何で私が?)

「アヤ、この時代は正室が側女たちの子供を育てて立派に成人させるのが一般的だ」

「ええっ!」

私が未来から来た事を知る光秀さんが、全く知りたくなかった情報を教えてくれた。

(そんな理不尽な事ある?自分の子供は自分で育てればいいじゃない!)

「アヤ様、私は別に側室になりたいなどとは思っておりません。ですがこの子だけはどうか織田信長様の正式なお子として、育てていただきたく」

女性はそう言って深く頭を下げた。





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