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恋に落ちて 〜織田信長〜

第72章 夫婦の絆〜信長様誕生日sp〜



「おはな、いっぱいある〜」

暖かくなり花の咲き乱れたお庭を見て吉法師は走り出す。

「たくさん摘んで父上に渡そうね」

「うん、きょうそうね」

「ふふっ、母は負けないぞー」

花摘み競争が始まった。

今日は信長様の誕生日で信長様が久しぶりに戻って来られる日。だから家族で信長様の誕生日会をしようと、吉法師と準備中なのだ。

今年は家族も増えて、中国攻めも残すところ毛利元就との同盟のみだと言う。戦のない世の中まであと一歩、そんな信長様をたくさん労ってあげたい。


「アヤ様、少し宜しいでしょうか?」

花摘みをしていると、女中さんが声を掛けてきた。

「はい。どうしました?」

「あの、アヤ様にお会いしたいと言う者が来ておりまして……..」

「私に?私の知り合いですか?」

「いえ、ですがどうしてもアヤ様に会ってお伝えしたい事があると申しておりまして」

(誰だろう?でもわざわざ会いに来てくれた人を無碍に帰す事はできないよね)

信長様がお城にいない時は、妻である私がしっかりとしないといけないし…

「分かりました。客室にお通ししてください」


ご機嫌でお花を摘む吉法師も紗菜同様に侍女にお願いをして、私は客室へと向かうことにした。


「アヤ、俺も同席しよう」

「光秀さん!」

どこからか光秀さんが現れ、私と並んで廊下を歩き出した。

「御館様の不在時にお前に何かあっては俺の首が飛ぶ」

「光秀さんなら首を切られてもまた生えてきそうですけどね」

「中々言うようになったな。さすが二人も子を産むと小娘でもしたたかになると見える」

「おかげさまで。光秀さんに鍛えられましたから」

「もっと鍛えてやってもいいぞ?」

「遠慮しておきます」

そんな事を言っている内に客室へと着き中へ入ると、女性が一人、赤ちゃんを抱いて座っていた。





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