第69章 私の育った故郷では 〜信長様誕生日sp〜
「信長様が私のことを思ってくださるように、私も信長様には天下統一の夢を叶えて頂きたいんです。この子が生まれてくる頃には間に合わなくても、次の子が産まれる時には戦のない世の中になっていれば良いな…と」
「ほう…それで?」
「私はこの先もずっと信長様に愛されるんですよね?」
「無論だ」
「じゃあ私はきっと何人も子供を産むと思うんです。だからその時は信長様に是非とも育休を取ってもらって、子育てを手伝って頂きたいなって…。それまでは私も頑張ります。あっ、もちろん無理はしません。城の皆に助けてもらいながら子育ても仕事も信長様の妻も頑張ります」
あなたに愛され続ける限り、私はその愛された証をこの世に生み出す。
その愛しい子どもたちが平和に生きていける世を信長様には築いてほしいから。
「貴様の言い分、確かに一理ある。……良かろう。貴様の願い、確かに受け取った。育休は天下を統一を果たした後に取る事にする」
「信長様、ありがとうございます」
「そしてこの戦が終わった暁には、俺は日ノ本一の”いくめん”となろう」
ニッといつもの自信に満ちた笑みを浮かべてそんなことを言うから、吹き出して笑ってしまった。
「ぷっ、イクメンって…、それも佐助くんから聞いたんですか?」
「ああ、奴も親になっておらんからあまり詳しい事は分からんと言っておったがな」
「でも私よりも全然知ってて驚きでした。」
「ふっ、貴様は物事を知らなさすぎだ」
「うーー、反論はできません。でもまた佐助君の事待ち伏せしてまきびしを撒いて捕まえたんですか?」
「そうだ。まぁ高いまきびしを撒いたが甲斐はあった。
「彼は本当はすごい忍者なんですよ?」
「分かっておる。あやつも分かって引っ掛かっておるのだろう」
「そうなんですか…?」
お互い承知の上ってやつ?
できる男たちの頭の中は私には理解できないや。
でもあの日佐助くんが登場した理由はこれだったのかな?嫌いにならないでなんて言うから、てっきりエロ襦袢についてと新しいアイデアを提案したんだと思ってたけど、まさか現代の育児事情についてのレクチャーだったなんて、意外で驚きだ。