第69章 私の育った故郷では 〜信長様誕生日sp〜
「…ん、でもそればかりは、子は授かりものですから何とも」
私によく似た子が欲しいなんて嬉しいに決まってるけど、こればかりは私の力で何ともできない。
「俺は欲しいものは必ず手に入れる。貴様も、天下も、子の性別もだ」
首筋に唇を当て、私の着物を脱がしていく。
「っあ、……んっ……育休も…ですか?」
「そうだ」
首筋、鎖骨と口づけた信長様は胸にも口づけ、その先を口に含んだ。
「ん………っあ、待って信長様、まだ話が……」
肝心の育休を阻止できていない…!
「話は後だ。先に貴様に触れさせろ」
「んっ………」
優しく胸を揉む手と呼吸を奪うような口づけは簡単に私の思考を奪って快楽へと落としていく。
「っ、……ぁっ、信長様……」
愛しい人の生まれた大切な日は、その愛しい人の腕の中で優しく抱かれた。
・・・・・・・・・・
「可愛い」
熱く優しく愛された後、寝間着を羽織った私は、信長様に頂いた御くるみを手に取って眺めていた。
ヨーロッパの方から入って来たであろうドレスの様な御くるみはとても良い素敵な仕上がりで、是が非でも女の子を産んで着せたくなってきた。
「貴様を愛せば子は自然と腹に宿る」
「信長様?」
「愛する回数が増えるほどその確率も上がる事は分かってはおるが、俺は貴様を愛する事はやめられん」
御くるみを見ている私の横で片肘をついて私のお腹を撫でる信長様。
「もう子は要らぬから抱かれたくないなどと貴様に言われては困る」
「そんなことは…言いませんよ?それに言ったって信長様はやめないでしょ?」
「ふっ、否定はせん。だからこそ貴様の負担は可能な限り軽くしてやりたい」
「だから、育休を取ることにしてくれたんですか……?」
「そうだ」
きっぱりと言い切るその顔からは、信長様の深い愛情が感じられ胸がドキドキと騒がしくなってしまう。何年経っても変わらぬ愛情を示してもらえる私は本当に幸せで、私も負けないくらいに強く信長様を愛し返したい。
「ふふっ、その信長様のお気持ちとても嬉しいです。でも私まだ頑張れそうなので、その育休もう少し先の未来に取っておいてもらってもいいですか?」
「どう言う意味だ?育休は確か、子を生む都度取れると聞いた。今回だけに限らず、その先何人子を産もうと俺は取るつもりだ」