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恋に落ちて 〜織田信長〜

第69章 私の育った故郷では 〜信長様誕生日sp〜



「育休って…、どうしてそんな言葉…もしかして、この間の葵との話を聞いてたんですか?」


秀吉さんからとバレてはいけないので、私は慎重に話を進める。


「聞いていたと言うよりは、部屋に入ろうとした時に聞こえて来たと言う方が正しい。貴様が腹に子を宿して不安だと分かり、更には貴様の時代は男女問わず夫婦で協力して子育てをすると聞いて、佐助に詳しい話を聞いた」

佐助君に?って…
「あっ!」

「何だ?」

「いえ、数日前に佐助君に会って、信長様と何かを話したってことは聞いてたんですけど、その事とは思わなかったもので…」

(てっきりエロ襦袢の話だと思ってたけど、そうか、育休についてを話したんだ。でも何でそれが嫌いにならないでなんだ?)

「ごめんなさい」

「何を謝る?」

「いえ…なんか色々と…」
(エロ襦袢がどうとか疑って申し訳なかったな…って思って……)

「まんま、まんま」

ご飯を目の前にお預け状態だった吉法師が騒ぎ始めた。

「ごめんごめんお腹すいたね。今日は父上のお誕生日だから、吉法師のご飯も豪華なものにしたよー」

と言っても薄ーーーい味付けだからあまり変わらないかもしれないけど…


「「いただきます」」
「……ます」

手を合わせて、お誕生日の膳を皆で食べた。


食後、親子でくつろいだ後は夫婦の時間へ。

侍女が吉法師を迎えに来ると吉法師は少しグズったけれど、抱っこして寝かしつけると深い眠りに落ち、そのまま侍女に連れられて行った。

「泣かれるとやっぱり辛いですね」
このまま一緒に寝てあげたくなってしまう。

「泣いて貴様を独り占めできるのなら俺とてそうしたい」

信長様は笑いながら私の腰に手を回して抱き寄せた。

「もう、信長様は泣かなくてもそうしてるじゃないですか」

「馬鹿を言うな、これでもかなり我慢をしておる」

「全然説得力がありません」

「ふっ、一方通行の思いとは辛いものだな」

「もう………っ、ん」

首筋に一つ、熱が灯された。




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