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恋に落ちて 〜織田信長〜

第69章 私の育った故郷では 〜信長様誕生日sp〜



「ふっ、正直だな。起きられるのなら朝餉を食べてから横になればいい。今日は無理をせず休め、いいな」

「だぁ!だぁ!」


同じ顔にそう言われるともう反論はできない。


「……はい。ではお言葉に甘えてそうさせてもらいます」

信長様が吉法師を侍女に預けた後、二人で朝餉の膳を囲んだ。



「どうした、食欲もないのか?」 

「あ…はい…なんだか少し、胸がむかむかするような…」

やっぱり風邪かなぁ。


「まるで子でもできたような反応だな」

お味噌汁を啜りながら何気なく信長様が言った言葉が、予想外に刺さった。

「え?……信長様…今なんて?」

「は?まるで子ができたような反応だと……」

信長様は途中で言葉を止めて、ハッとしたように私を見た。

(そう言えば、生理、ずいぶん来てないかも…!)

吉法師を産むまではあんなにも不順だった生理も落ち着いてだけど…


「もしや…」
「もしかしたら…」

ほぼ同時に口を開いた私たちは、また目を見合わせる。

「医師に見せるまでもなさそうだな」

確信した信長様はニヤリと笑った後、私の唇を掠め取った。

「っ…、信長様…」

「少しでも腹に入れて今日は安静にしていろ。念のため医師も呼んでおく」


「はい。ありがとうございます」

「またこの城も賑やかになるな」

「そうですね」

信長様がそう言って嬉しそうに笑うから、私は心の内にある引っかかりに気付かれないように笑い返した。



その後、信長様が呼んでくれたお医者様からご懐妊の兆候と診断され、私の二人目懐妊はその日のうちに城内に広まった。






・・・・・・・・・・


「アヤ、体調はどう?」

家康や政宗が順番に見舞いに来てくれた後、葵がそっと襖を開けて様子を見をに来てくれた。

「あ、葵来てくれたの?入って入って」

「お邪魔します」

葵は襖の所で軽くお辞儀をして入って来た。







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