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恋に落ちて 〜織田信長〜

第68章 初夢〜新年特別編〜



「ん、…まっ、待って信長様っ!」


「ん……?」

何か俺の夢を見ておるのか、アヤは困った顔で頭を振っている。


「いい気なものだな…」

何年経とうが変わらず愛おしいこの女の行動全てに、俺は惑わされ、煽られ、焦らされる。


「アヤ、目覚めよ」

貴様を今すぐ抱きたくなった。


「アヤ……」

起きぬなら起きぬでそのまま抱いて起こしてやろう思い、愛しい寝顔に顔を近づけた時、


「えっ、えっ、きゃーーーー信長様っ!!!」


アヤは急に叫んで飛び起きた。


「いっ!!」

アヤの頭突きが俺の額に直撃した。


「っ、…何事だ?」

不意打ちをくらった額をさすりながらアヤを見れば、奴は半身起き上がったままジタバタと悶えている。


「どんな寝ぼけ方だ。アヤ、起きよっ!」

余程の変な夢なのか、奴の肩を持って体を揺すると、奴はようやく目をうっすらと開け俺を見た。


「ヒイッ!信長様っ!特大茄子さんは見せないでっ!」

「はっ?」

「……って、あれ?…信長様、いつの間に着物を着て…………?」

「何を訳の分からん事を…いい加減に起きよっ」

挙動不安なアヤの両頬を手で包んで口づけた。


「ん……」

強ばっていた奴の体が緩み、ようやく覚めた目で俺を見つめた。


「信長様………あっ、何だ、夢かぁ」

アヤはホッと安堵のため息を吐いた。


「ひどくうなされておったが、イヤな夢でも見たのか?」

「そうなんですよ、途中までは一富士二鷹のいい夢だったのに、途中から信長様が………っ」

そこまで言いかけて、アヤは口をつぐんだ。


「?…何だ?俺がどうした?」

「あ、いえ…」

俺から目を逸らすその態度に、先ほどの悪夢が思い出された。


「喜べアヤ、俺は今すこぶる機嫌が悪く、そして貴様を抱こうと思っている。早く言わねば泣かされることになるぞ?」 

「へっ?どどどとうしてっ!?」

「貴様が俺を裏切ったからだ」

「裏切る?私がですか?」

「そうだ」

アヤの肩を掴んで俺は奴を再び褥へと押し倒した。


「信長様っ?」


「アヤ、仕置きの時間だ」










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