• テキストサイズ

恋に落ちて 〜織田信長〜

第67章 信長様は構われたい



(まるで赤子だな)

ゴロンと大の字に寝転がった俺は、さすがに己の所業にそう感じ、心の中で苦笑する。

だが、アヤを独占したい。

そんな欲にいつも以上に駆られて抑えが全くきかない。



「………」

寝転がる俺にチラッと視線を向けたアヤは口に手を当て何かを考えると、


「……じゃあ、失礼します」

寝転がる俺に覆い被さり、ぎゅぎゅっと絨毯と俺の背中の間に両腕を差し込んで俺を抱きしめた。

アヤの柔らかな髪が一房落ちて俺の頬をくすぐる。それだけでも身体の芯はズクンと熱を持ち始めた。


アヤは俺を抱き上げようと何度か試みていたが…

「……っ、私の力では信長様をお運びする事はできません。どうすれば良いですか?」

華奢な奴に俺を持ち上げる事など不可能だと言う事は分かっておる。

だが、むしゃくしゃする。まだアヤを困らせてやりたい。


「では湯浴みでなくとも良い。ここで脱がせて体を拭け」

「はぁっ!?」

「早くしろ!シンと吉法師にはやっておっただろう」

「あ、あれは…」


困り果てたアヤは顔を赤くして反論しようとしたが、次の瞬間口をつぐんでまた何かを考える。


「…お湯を持って来ますね。少しだけお待ち下さい」


俺の気持ちを察したのか、顔を僅かに緩ませたアヤは直ぐに桶にお湯を入れて戻って来た。


「失礼します」

「うむ」

大の字に寝転がった俺の帯にアヤは手をかけ緩めて行く。

帯を抜き取ると着物を一枚、また一枚と開き、最後に襦袢の紐を緩め袷を開いた。

「……っ、」

アヤの顔は途端に真っ赤に染まる。
予想通りの反応だ。


「ふっ、何を恥じらう。いつもこの様に、俺に触れておるだろう?」

アヤの手を取り剥き出しになった俺の胸にあてれば、奴は耳まで赤く染め目を逸らす。

妻となり子を儲けても、奴のこのもの慣れない仕草にはいつも唆られる。



/ 816ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp