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恋に落ちて 〜織田信長〜

第67章 信長様は構われたい



「失礼します」

「うむ」

(ふふっ、「うむ」だって。ずっとこうして寝転がって待ってたのかな?可愛い)

拗ねた顔で寝転んだままの信長様が何とも可愛くて、語尾にハートマークが飛んでいるんじゃないだろうか?

けど、私が余裕でいられたのはここまでだった。


大の字に寝転がった信長様の帯に手をかけ緩め抜き取った後は、着物を一枚、また一枚と開き、最後に襦袢の紐を緩め袷を開いた。

「……っ、」

見慣れたはずの逞しい胸板が目の前に晒され、途端に顔に熱が集まった。


「ふっ、何を恥じらう。いつもこの様に、俺に触れておるだろう?」

信長様は鼻で笑うと固まってしまった私の手を取り剥き出しになった逞しい胸へとあてた。

きゅっと引き締まった胸板を手の平で感じるともう耳まで熱くて、思わず目を逸らしてしまう。


「早くしろ」

「はい」

心臓がバクバクと煩い。
桶に手拭いを浸し絞ると、あまり裸を直視しないように信長様の首にあてた。


「首から拭きますね」

「ああ」

でも、こんな風に信長様のお体を拭くのは久しぶりな気がする。

いつだって信長様から歩み寄ってくれるからって…甘え過ぎだな、私…


しかし、感傷に浸っていられたのもわずかで… 、肩から腕、胸、腹と拭き終わると、残すは背中と下半身となり…


(下も…拭くのかな?)

どうすれば良いか分からず下帯をただ見つめていると…(それはそれでとてもいやらしい光景な気もする)

「どうした、それ(下帯)も取って良い。シンや吉法師は裸で洗ってやっておるだろう?」

予想通りの言葉が信長様の口から飛び出した。


「っ、それは、シンは元々何も着てませんし、吉法師 は赤子ですっ!もう、今日の信長様は一体どうしたんですか?こんなのまるで…」

恥ずかしさが頂点に達して、思わず心の声を漏らしてしまった。

「…まるで、なんだ?」

信長様は目を鋭く光らせ私を見据えた。

「っ、まるで、シンや吉法師 に嫉妬してるみたいです」

もう後には引けない私は、心の声を全て吐き出した。



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