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恋に落ちて 〜織田信長〜

第64章 貴方と温まる夜〜大晦日特別編〜




「現金な奴だ。泣いたと思えばもう機嫌が良くなった」

私の横で寝転がり肩肘をついて見ている信長様は、吉法師を指でつついてワザと邪魔をしてくる。


「もう、信長様っ!吉法師の邪魔をしないであげて!」


「俺達夫婦の営みは簡単に邪魔をするくせに、生意気な奴だ」

ふんっと信長様は吉法師の頬をぷにっと摘んだ。


すると、吉法師の口がズレて咥えていたものが口から外れた。


「ふっ、ふぇっ、ふえええーん」

「ほらぁ、邪魔するから泣いちゃったじゃないですか!」

「男のくせにすぐに泣きおって」

今度はククッと笑いながら優しいデコピンを吉法師にした。

「赤ちゃんは泣くのが仕事なんです!」

「そんな事でアヤを俺から取り上げることが出来るのは此奴だけだな」

「ふふ、自分の子供にヤキモチですか?」

「当たり前だ」

吉法師は泣きながらもおっぱいを求めてまた口に含むと一生懸命に飲み始める。


「人の気も知らず必死で飲みおって」


憎まれ口を言いながらも、吉法師の頭を撫でるその大きな手は愛情一杯で.......、吉法師も安心したように母乳を飲みながらウトウトし始めた。


「おっ、腹は膨れて満足したようだな」


おっぱいを口から離し、ウトウトし出した吉法師を私の手の中から取ると、信長様は抱っこをして立ち上がる。


「あっ、信長様、寝かしつけなら私が....」

「いや、いい。貴様が寝かしつけるとそのまま共に寝落ちるであろう?」

「そ、そのつもりですが.....」

何か問題でも?



「今は中国攻めの最中で、中々国元へ帰れん武将共はこの時期位はとそれぞれの国へ帰らせた。年始の挨拶も三が日を過ぎるまで此度は行わん」


「だ、だから?」


「今宵は存分に貴様を可愛がってやれると言うことだ」


「えっ!だってさっきあんなに.......」


「阿保、あれはまだ序章だ」

「じょっ、序章!!」

プ、プロローグって事ですか?エピローグじゃなくて? 

「静かにしろ!吉法師が起きる」

いや、むしろ起こしたい!そしてそのまま添い乳で寝てしまいたい。





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