第63章 妻に望むもの〜信長様誕生日sp〜
連れて行かれた部屋の襖を開けると、なぜか用意周到に布団が敷いてあり、ポスっと優しく降ろされた。
(そう言えば、必要なものは先に用意してくれてあると言っていた気がする)
「どうした、不思議そうな顔をして」
「.........何だか、用意周到だなって」
既に挿入体勢に入った信長様は不敵な笑みを浮かべて私に口づけを落とした。
「それだけ俺が、貴様に飢えておるという事だ。細かな指示は出しておらんが、皆には俺が貴様とどう過ごしたいのかが分かるらしい」
「だ、台所は想定外だったと思います」
私が一番ビックリしたけど......
「ふっ、俺が抱きたいのも、抱くのも貴様だけだ。貴様の言いつけを守って不貞を働くことなく戻ってきたのだ。アヤ、貴様は責任を持ってこの熱を鎮めよ」
「っ................」
はっきり言って力も入らないし、もう一度抱かれたら意識を手放す自信がある。
けど.......... そんな熱のこもった瞳で見つめられ囁かれたら、身体は限界でも心は繋がりたいと思ってしまう。
「信長様」
わずかに動く腕に力を入れて信長様の首に巻き付けて、オッケーサインを伝えた。
「愛してる。貴様の全てを感じたい」
「んっ.......」
口づけをされ、再び熱を持った信長様のものを身体が受け入れた。
全てが繋がって一つになり、そのまま蕩けてしまいそうな感覚に酔いながら、私達は久し振りの時間を濃密に過ごした。