第60章 花屋夫人
「本当の事だ、この肌も甘い」
「んっ!」
「この胸も、この愛らしい桃色に色付いた頂も」
「やっ、あっ......」
「嫌だと駄々をこねるこの唇も、全てが甘い。俺だけのものだ」
「っ、んっ」
甘いのは、信長様の言葉とこの口づけで、もう気が変になりそうだ。
「まだ足りん」
愛撫は止まない。首筋、鎖骨、胸の膨らみと、どんどん痕を刻んでいく。
「ふぁ、んっ.....」
下半身には、滾る信長様の熱があてられ、スリスリと私の蜜を塗りつけ、私の体へ這入る準備を始めた。
その瞬間を待ちわびているかのように、一度達した体はわずかに触れられるだけでもピクリと反応し、腰が浮いてしまう。
「アヤ」
熱く見つめられ名前を呼ばれると、ズズッと、愛おしい人の熱が挿れられるのを感じた。
「はっ、..ぁ、ん...」
「はっ、アヤ」
一つに繋がった時の、お互いに動きを止めて抱き合う瞬間がとても好き。重なった胸から感じる鼓動や、耳元で感じる呼吸までもが一つになった気がする。
「アヤ、愛してる」
緩く腰を動かしながら、信長様は唇を啄み、何度も愛を囁いてくれる。
「あっ、あ、私も、んっ、愛してます、あぁ」
「名を呼べ」
「えっ?んんっ」
「俺の名を呼べ」
「信長...........様」
「っく、そうだ、もっと、名を呼べ」
「信長様、っぁ、はっ、ん、信長様......」
注挿を繰り返す信長様の顔が、名を呼ぶたびに恍惚の表情となり、嬉しくて涙がこみ上げた。
「っ、その涙は余計だ......笑え」
信長様は、一度ギリギリまで引き抜くと、一気にグッと最奥まで突いた。
「っああぁんっ!」
ビリビリと甘い痺れが体を貫き嬌声をあげると、信長様は口の端を上げて、何度も突き上げた。