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恋に落ちて 〜織田信長〜

第60章 花屋夫人



うーーー、秀吉さんに会わす顔がない。

朝餉を済ませ、信長様と分かれた私は、秀吉さんに何て伝えれば良いのかを悩んでいた。

あんなに必死に頼まれたのに、信長様に酔わされて言えませんでしたなんて言えないよ。




うーーーー、だって、昨夜の信長様凄かったから。

まんまと信長様の策にはまった私.......
何と言うか、昨夜は言葉責めで、その間にも指の動きや吐息に翻弄されて、気づけば朝だったなんて言えなーーい。


しかも、今朝も.....

『昨夜の貴様がもう一度見たい。夕餉は天主で取る』

とか何とかご機嫌に言われてしまって.......


思い出すだけで体が火照る。
本当に信長様って...............


熱くなった頬に手を当てながら針子部屋へと行くと、その前で秀吉さんが待ち伏せをしていた。


「アヤ」

ああ、今は、その笑顔を見るのが辛い。
とにかく、正直に謝ろう。


「ごめんなさい。言えませんでした」

謝りながら、深く頭を下げた。


「ぶぶっ、分かってる。まずは頭を上げろ」

ぽんぽんっと頭を撫でる秀吉さんはまだ笑顔だ。

「?」


「謝る事はない。むしろお前に礼を言いたいくらいだ」


「え?」
なんで?


「今朝の信長様はすこぶるご機嫌で、何故か信包様にはお会いになっても良いと自ら言ってくれてな。とりあえず、一歩前進出来た。お前が信長様の機嫌を良い方に導いてくれたおかげだ。ありがとな」

ぽんぽんっと、いつもの頭なでなでをされた。



いや、正直何も.......ただ抱かれただけで.....


でも、昨夜は確かに何かが違った。
 
新境地と言うか、いつも信長様は凄いけど、何だかお互いに快楽の次のステージに行けたような、半端ない快楽に包まれたのは確かで.....それは、信長様も感じてくれたのだと、今朝の態度からも分かったから、恥ずかしいけど嬉しい。そして、それが功を奏したと言うなら、尚更嬉しい。(ただ抱かれただけだけど.........)




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